TickeT
這い寄る夜襲(5)
「…ふうー」
一つ、緩とそして静かに深呼吸をした。
「どこで音が鳴ったんだ…」
さっきも言ったが、窓はこの部屋ではなく別の部屋で割れた様だった。
「よしっ。まずはこの部屋を出なきゃな」
一歩、緩とそして静かに歩みだした。扉へ徐徐に近付き、そっと手を伸ばし微かに開く。小さくできた隙間から覗いて見るとそこには、こっちの部屋からの洩れ日でうす暗くなった空間があった。
「ここには…誰もいない…か」
弱いままでは少し足りない。そこで、か細い光を大きくするために、徐徐に隙間を育てていった。暗がりは光を避け、空間は仄明るくなっていく。
そして最終確認。そこには誰もいない事を確かめる。
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