TickeT
這い寄る夜襲(4)
周りを見渡しても今いる部屋の窓は割れていなかった。しかし、すぐ近くから音が聞こえたので、この家の中で起きた事に違いなかった。心へのさらなる衝撃で、もう何が何だか分からずうろうろするだけだった。
「今のってガラスが割れた音だよな。割られた…のか」
ここからは、数秒しか経っていないのにそれが何時間にも感じるというまさにあれだ。そしてその間、僕の心の中では「行こう」と「行けない」の投げ合いだった。
「行かなきゃ…。でも…」
第三者の目があった訳ではないので、実際の時間は分からないが大体10秒かそこら。それだけの後に「行くしかない」という決意がなぜだか出てきて歩きだした。
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