[携帯モード] [URL送信]

TickeT
這い寄る夜襲(1)
 一人。落ち着かなさげに椅子に座り、

「本当にどうすればいいんだろう…。僕のせいで誰かを狂わせるなんて…。あの時の好奇心が無ければ…」

 誰にともなく語りかける。

「このチケットがそんな力を持ってるなんてな。単なる紙切れにも思えるのに」

 手に持っているチケットを揺らしながら眺めた。どう見たって普通の紙、紙でできている。一体どこに力が隠れているのだろうか。

「でも一体どうすればA氏の…うーん、A…Aか…。誰だろうA氏って。もし敢えて『A』を使っているんだったら『あ』から始まる名前なのかな…」

 自分の軽率さに弱って、少しでも現実逃避しようとした。言い方をすごく良くしたら、視点を変えて別の角度から見ていると言えるが。本当はそんなものじゃない。

[next]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!