TickeT 雨音の余韻(9) どこか不安定な気がした。何か一つのために存在しているんだったら、性格も一つではないのだろうか。それは偏見だろうか。彼女達も僕らと同じで感情の多様性を持っているのか。それとも、チケットが僕の物になったから彼女も変わったのか。 僕は彼女の揺れもおかしな方向にしたのだろうか。 「あれ…そういえば…彼女の名前って何だっけ…」 どれだけ考えても一向に出てこない。 「どうしてだ。彼女の名前も消えたのか。理由はまだある筈なのに」 ふとある事に気づく。 「そうか…聞いてないだけか」 一つの安堵。僕はかなり落ちていた様だ。 [back] [戻る] |