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TickeT
雨音の余韻(8)
 ──ポッ、ポッ

「雨か…」

 雨が降りだし、足音に反比例して雨音が大きくなってきた。

「また雨か、最近はよく雨が降るなあ」

 僕はしばらく止みそうにない雨をただ見つめていた。

「もっと強く降って、僕の蟠りも…不安も…何もかも洗い流してくれないかなあ。そうなったらどんなに楽だろうか」

 この雨は彼女を再び連れてくる訳でもなく、蟠りを流してくれる訳でもなく、ただただ降っていた。

 僕はふと考えた。

 彼女は色色と変わった。シリアスな彼女。僕の耳に不思議な話を語り掛ける彼女。子どもの様にはしゃぐ彼女。

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