TickeT
雨音の余韻(2)
外見上僕の振動は、A氏の振動をただ受け取っただけにも思える。でも本当は違ったのかも知れない。僕はA氏がしていた振動ではなく、彼女に惹かれる振動になったのだろうか。彼女はA氏と合う様な振動をしていた筈だ。僕は振動を受け取ったんじゃなく、彼女に合わせていったのだろうか。
「貴方がこれからやる試みは、全て結果が予測できません。私達はある程度の結果を構築できますが、今は先がぐちゃぐちゃになっています。ですから、こうすればこうなるという予測ができません。
どう足掻こうと、その瞬間に体験できる事は一つ。という事は、将来起きる事柄は最初から一つと決まっていたとも言えます。だからどんなに努力してもなるようにしかならない。チケットはそんな運命を『覆し組み立てる』存在です」
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