TickeT
移り行く振動(1)
「チケットの持ち主が貴方になって何が変化したか、それは私達にも判断できませんでした。手に持ったクジの先に何が付いているかは、それを引き抜いて見なければ分かりませんよね。今回も幾多の結果が予想されていましたが、貴方が私と会えた事で一つに絞れました。
私は本来A氏のためだけに存在しています。そんな私に貴方が会えたのは、A氏と貴方の間で存在が一欠片入れ替ったからなんです。それは人間の内のさらに内にあり、そして意識されない部類に属している、一つの出来事を決める決定権です」
「また難しい事を言い出したな」と心の中で独り言つ。
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