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TickeT
無賃乗車(4)
「では先ず一つ、先程は『動き始める』と言いましたが、それは今回言える事ですので『見えるようになる』と言った方が適切でしょう。だって、刻はもっと前に動き始めていて、みんな死が目前に待ち受けている人間なんですもの」

 彼女は翌日のプレゼントを心待ちにしている子どもの様に、笑みを浮かべながらそんな事を言った。彼女にとって「死」という言葉は、単なる玩具に過ぎないのだろうか。

「そして、貴方が受け取ったチケットを本来受け取るはずだった人…まあ今はA氏とでも言いましょうか、A氏もまた──」

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あきゅろす。
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