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TickeT
無賃乗車(1)
 思考を回らすために黙っていると、彼女がしれっと言った。

「さて本題に戻しましょうか」

 僕の中では「理由」を聞いた時点で一旦話が終わっていた。

「本題ですか…」

「ええ。私がここ…と言うよりチケットの所に来るのは、始めから決まっていた事だったんです。受け取った事が間違いであろうと、なかろうと。受け取った人が貴方であろうと、なかろうと」

「それがあなたの存在理由…」

 彼女は肯定を表す小さな頷きをして、そのまま続けた。

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