TickeT
不思議な男(2)
「大変長らくお待たせしましたが、これで貴方様の運命も変わりますよ」
その言葉からも、彼を判断する事はできなかった。しかしいつの間にか、彼が誰かということよりも、その言葉の意味の方がとても気になっていた。
僕は作家として有名になりたかった。有名になりたくて、刺激的な話がないかと探していた。
そんなときに彼が僕の前に現れた。僕は彼に興味を持ち、話だけでも聞けないかと思った。
「やっと届きましたか、だいぶかかりましたね」
口からそんな言葉が自然と出てきた。僕は嘘を吐いてしまった。
しかし、彼に僕を怪しむ様子は無かった。
「すいません。大変稀少な物ですので」
それどころか、彼はそのまま話を続けた。
「これがお約束の『運命へのチケット』です」
彼は上着のポケットに手を入れ、そこから一枚の紙を取り出した。
「運命へのチケット」が差し出されたので、僕はそれを受け取った。
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