TickeT 響く足音(7) 「僕に残された時間……」 「はい。ですから、この針が止まった時……」 次の言葉は重々しかった。 「貴方は死にます」 「……えっ?」 僕は耳を疑った。 前に彼から言われた「死」は、容易く自分の背中に乗せる事ができた。 しかし今度の「死」は、背中に乗せるまで時間がかかる上に、乗せると潰れそうになった。 「聞こえましたよね。針が止まった時、貴方は死ぬんです。何もしなければ」 最後の言葉は僕の耳に入り、そのまま口から出て行った。 「何もしなければ……」 「そうですよ。彼から聞いていますよね?」 僕は心の中にある言葉(きおく)を色々と確かめた。 [back][next] [戻る] |