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TickeT
不思議な男(1)
  ピンポ−ン


 僕はチャイムの音で目が覚めた。いつの間にか転た寝をしていた様だ。僕は重い瞼を擦りながら玄関へ向かった。


 玄関の扉を開けると、そこに彼が立っていた。それが、運命との最初の出会いであった。


 彼がやって来たのは夜十時過ぎ。しかし、まだ夏の中旬だったので蒸し暑く、僕は扉を開けるとすぐに、服の下に汗をかくのを感じた。

 にも関わらず、彼は黒いスーツを着て、手袋まではめていた。その上、僕の家まで歩いてきたようだが、汗一つかいている様子がなく、僕はそれを不思議に思った。


 彼の顔に見覚えがなかった。かつ、姿からは何も分からなかった。



「何か用ですか?」


「お約束の物をお持ちしました」


 彼の言葉に思い当たる事が無く、僕には何の事だか分からなかった。何の事か分からず、僕は黙って考えていた。

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