Children Record 白 「夏海、あの日から明日で一年経つよ」 朝早く、私は仏壇の前で手を合わせる。 「ひとりぼっちに、なっちゃってから、一年経つよ……?」 涙が止まらなかった。 ただただないた。 気が済むまで、ないた。 父と母は私達が幼い頃、乗っていたタクシーが事故にあった時、かばう様に亡くなった。 「父さん、母さん。今成長してるのは私だけですけど、我慢してね……夏海にはもう会えたでしょう?」 私はもう、会えないのだから。 「今日はこれから、携帯の機種変更に行きます」 最新版の携帯。これがでるのを待ち望み、私はずっと折りたたみの携帯でいたのだ。 「また報告します」 涙を拭いて笑ってみせる。 ******************* お気に入りのTシャツに珍しくスカート。それにお気に入りのパーカーを出す。 「準備完了」 ペットボトルを持ち、カバンにしまう。 お気に入りのパーカーに袖を通し、街に出た。 [*前へ][次へ#] [戻る] |