Children Record
夏色
「危ない!」
叫び声が聞こえた直後だった。
数えきれないほどの鉄柱が降ってきたのだった。
目があり得ないほど痛い。
「な、つみ……」
私は無意識に妹の名前をよんでいた。
私の斜め前を歩いていた、妹の夏海。
目が焼ける様に熱い。立っていられないくらい熱い。
誰か、助けて……
「夏海!?」
ふと目に入った妹には
鉄柱が突き刺さっていた。
嘘、でしょう?
ピーポーピーポーと煩くサイレンが鳴り響く。
『どうして?』
声に鳴らない声。
『これが定めだ』
何処からか私でも夏海でもない声が聞こえる。
「だ、れ……?」
ああ、視界がぼやけてきた。
まるで白と赤と青の夢の中にいるみたいだ。
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