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詩集
見ている
白い時計の黒の針を
なまぬるい指で
なまぬるい白に塗る

時の駆ける足音が距離を刻み
その姿はどこにもない
脱ぎ捨ててきたいくつもの殻たちが
時のひだに絡めとられて
吸い込まれてゆく
無機質に蠕動するパイプの中を
歴史が流れ
それはいつからか終わりへと向かい始めた

時が駆ける足音を距離が重ね
うつむきながら
ただ時のかけらをかき集めている
冷たい時計の文字盤は
いまだ限りある数を増やしつづけている



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