[携帯モード] [URL送信]

詩集
やわらかな朝に
渇いたチーズをねずみがかじっている
黄土のかけらは身を強張らせるだけで
何も言わない
窓枠が律儀に音を立て
風は薄暗い世界にアンコールを送る
きっと
陽は今日も昇らなかった
明日も雨が降る
彼らは瓦を溶かし
いつか地にしみ込んでゆく
何事もない
平和な空は
ぼくを包むアルミ箔だから

かさ、かさと
あたりがまっ暗になった
ぼくは空気をいたわるように
やんわりと眼を閉じた



あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!