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二次創作/夢
恋愛論。(宮地/夢)
「朔ちゃん!ご飯食べよー!」

「さつき」

校舎に昼休みを告げるチャイムが鳴り響いたのは、つい数分前である。
鮮やかな桃色の髪を揺らしながら、自分の元に走り寄ってきた友人の名を呼んだ。

「そうだね、お昼にしようか」

「今日も雨だから外いけないねー。もう、梅雨ってなんか嫌になっちゃう!」

可愛らしく怒りながら前の席に腰掛ける彼女に目を向けると、その奥に何時も見える鮮烈な赤色が今日も視界に飛び込んでくる。

「なに見てるの?朔ちゃん」

「ん、いや…君らのとこの主将だよ」

「赤司君?」

彼女は何時も背を向けているから分からないのだろうが、私が教室で昼食を取る際には必ず、彼―赤司君が目に入るのだ。

「そう。なんでも出来る人って居るんだなあ、と思って、さつき越しに見てたの。」

「まあずーっと学年主席だし、バスケ部の主将だし、言うことないよねぇ。」

でも、と丸い瞳で此方を見つめながら彼女は言う。

「朔ちゃんから浮いた話が無い分、中々聞き捨てならないなぁ〜そのセリフ!」

妙にキラキラした表情で詰め寄ってくる友人を押しのけながら、自分の弁当を広げる。
浮いた話も何も、好きになるという感覚が全く分からないのに、そんなことを言われては困るだけだ。

生返事を繰り返す私に諦めたのか、相手も大人しく弁当を広げ始めていた。

ばれると面倒なのでさつきには決して言わないが、昼食時には赤い彼を肴にするように、視線を失礼ながらぶつけている。只見つめるだけで相手の有能さを測れるわけではないが、彼が興味を持つ対象であることはまず間違いない。

梅雨どきの限定だしまあ良いだろう、と軽い気持ちで振り向くことのない赤司を見つめながら、弁当に入っていたおかずを口に運んだ。





























「朔ちゃーん!来たよ〜」

「はいはい、お昼ね」


雨の日はそれから一週間も続き、その日も例に漏れず教室で昼食を取ろうと、弁当を広げる。

「あれ、」

「どうしたの?朔ちゃん」

「いや…」

そういえば、いつもさつき越しに見える彼がいない。あの強烈な色がないと、肴としていたこちらとしては若干物足りない気がする。

(まあ、いいか)

そう思い、弁当の中身を咀嚼する。その時、教室の後ろの扉が開いた。
ちらりと目線をやると、普段後ろ姿しか見ない彼―赤司征十郎がそこに立っていた。
突然、少しの息苦しさを感じたような気がして、思わず胸を押さえる。

「桃井、緊急ミーティングだ。マネージャーも来るように監督が言っている」

「えっそうなの?ごめん朔ちゃん、」

「!、いいよ、行っておいで」

ごめんね!また明日一緒に食べよ!!

そう言って席を離れた友人と共に去っていく彼を、ぼうっと見つめる。


何故かしきりに心臓が胸をたたき、頬を熱くさせる。
弁当を食べ進める気にもならず、箸を置いた。


(なんで…まさか)


嘘でしょ、と小さく呟くが、その声は教室の喧騒に吸い込まれる。


こんなに苦しくなったのも、顔が熱いのも、全て彼が現れてからだ。








(もしかして―…)
































「重度の食あたりですねー。いやー娘さんなに食べたんですか?中々無いですよ、熱まで出すって」


「まったく…朔、あなた拾い食いなんかしてないでしょうね?」


「…」



(…食あたり…だと…)



あれから授業を受け、帰路についた。ところが、自分の心臓は早鐘を打ったまま。心なしか気持ち悪いような気もする。そしてやっと、あれ?いつまで続くのこの状態?、と思ったのだ。

何とか家に辿り着いたと思って玄関を開けると、仕事が休みの母が出迎えてくれたのだが。母が私の顔を見るや否や、そのまま病院へ連れて行かれたのである。

胸の高鳴りはただ単に体の異常を教えてくれていただけ、頬が熱いのは発熱していただけ。

先ほどまでの自分の思考回路が恥ずかしい。よくよく考えてみたら、あれは明らかに体調不良の前兆ではないか。

心の中で大きくため息をつくと同時に、私は決意した。











―これからどんな動悸に襲われようとも、私はそれを恋だとは思うまい、と。
















恋愛論。-序章-

(朔、聞いてるの?心当たりはある?)(……(そういえばさつきにさり気なく何かおかずを交換させられたかもしれない))
















* * * * *
友人とネタについて話をしてたら盛り上がって出来た。

友人「真面目な文のギャグよろしく」

作者「(゜д゜ )」

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あきゅろす。
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