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ゴークリ
矢印


例えば隣にいるやつがシルバーだったら普通に話をすることができるしそれはカントーの先輩でも同じ。

でもその隣のやつがクリスだったら話は別だ。

クリスがどう思っているかはわからないが、オレにとってこいつはすげぇ大切なやつ。


片想いだけど。




矢印






ある事件をきっかけに一緒に行動するようになってクリスのかわいいところばっかり見えるようになってしまった。



最初はまじめ学級委員だと思って苦手だったのに。



例えをあげようとするときりがないから今は言わないけど、自分でもびっくりするぐらいオレはクリスが好きだ。

隣にいて、一緒に行動していてもオレがこいつに手を出さないのはきっと心底大切だからだと思う。

いや、出さないのではなくて出せないのかもしれねぇ。

今の関係が心地いいし、でもそんなの無視してオレのものにしてしまいたいなんて考えもでてくる。

ようはクリスのことを考えると頭がパーンとなるのだ。
困った。









例えば隣にいる人がシルバーだったら、普通に話をすることができると思うし普通に笑っていられると思う。

でもそれがゴールドだったら話は別で、今のわたしは心臓がびっくりするぐらいドキドキしてる。


いつからかゴールドへの特別な感情に気づいて、なにかしているときはそれに集中すればいいんだけど、
こうやって2人で歩いたりしているともう頭の中がゴールドでいっぱいになってしまって歩くどころではなくなってしまう。



最初は不良だと思って苦手だったのにな。



ようするにわたし、ゴールドのこと大好きみたい。


告白することだって考えたけど、フラレてしまうことを考えたらできなかった。
シルバーと3人でいる時に気まずくなってしまうのはいやだ。
勘がいいシルバーもきっとそれに気づいて気まずくなってしまう気がするから。


今のままがいい。
でも今のままは苦しい。


本当に困った。







「おいクリス。アレ見ろよ!!」


ゴールドが指差す方向にたいやき屋さんがある。


「うまそうだな!!ちょっと食べに行こうぜ。」

「何言っているのよ。今からオーキド博士に事件の報告をしに行くんでしょう。」

「ちょっとぐらい寄り道してもいいだろ。食べながら歩けばいいんだし。」

「そういう問題じゃないでしょ!」

「クリスはやめておけよ。あんまり食べると太るからな!!」

「うるさい!!よけいなお世話よ!!!!」


そう言っている間にゴールドはたいやきを買っている。
ため息をつくクリスはなんだか寂しげだ。


するとポンと頬に温かい物が。


「ほら。」


たいやきを2つ持ったゴールドが隣に。
視線はクリスに向いてはいないが。


「ため息なんてついてねぇでこれ食べろよ。」

「だって今あなた太るって……。」

「冗談に決まってんだろ。………やる。」


なんとなくゴールドの顔が赤くなった気がして、クリスの心の中がなんだかぎゅーっとする。


「……ありがと。」

「おう。」


ずっと頬についていたたいやきは温度をそのままにクリスの口の中へ運ばれる。


「おいしい。」

「うめぇな。」



がまんも少しずつ漏れ出して、向き合っている矢印が向き合うのはもう少し。





あとがき
初ゴークリ。やってしまった。たいやきは管理人のマイブームです。


あきゅろす。
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