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「はぁっ、入り、ましたか……?」
「いやっ、まだ半分。」
「ふぅ、あ、大きすぎま、す、あぁっ、」
「あんま、煽んな、シュン、」
「天侯、さん……、ふっ、あァッ、」
のけ反る白い首。
透き通る綺麗な聲。
散らばる紅い華。
…………………やばいな。
「全部、入った。」
「そう、ですか…ん、相変わらず、大きい、ですね。」
乱れる息。
調えようと、浅く呼吸を繰り返す。
悪いが、限界、だ。
「どうか、した、あああぁッ、」
艶やかな聲で鳴く。
たまらない。
無言で腰を振る俺。
未だ快感に馴れないシュンを強引に快楽の海へと誘う。
もっと深く。
もっと深く。
そう望むのは俺だけか?
快楽の海には既に溺れている。
後はそこからどうするかだ。
「てん、こうさん…ッ、」
背中に爪を立てられたのを感じた。
だがそれさえも…
愛しいと、思える。
「シュン、好きだ…っ」
無意識に出る言葉。
口癖になってしまった。
「愛してる。」
俺達は人間じゃない。
人間のふりをしているけど、本性は違う。
俺はシュンの本性も知らなければ、真名も知らない。
それでも。
「─────愛してる。」
喩えシュンの本性がなんであろうと、これだけは変わらないと断言出来る。
だから、いつか教えて欲しい。
本性と真名を。
ずっと偽名で抱き合うなんて、そんなの嫌だろう?
俺は真名だけどな。
「てんこう、わたしも、好きです…っ、愛して、います…っ…」
目尻に涙が零れ落ちる。
「は、あ、もう…っ、」
「一緒に、イこう、俺も、限界だ…っ…、」
達する鳴聲を、口をふさいで互いに呑み合った───
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