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「ピーッ!」

とりわけ長い、ホイッスルの高い音。

試合終了だ。

結果は36‐29で負けた。

仕方ないと思う。

プレイヤー全員が整列する中、オレは静かにその場を離れた。



「あッ!?」

自転車がズラっと並んでいる校門の側。

オレは必死に1台のチャリを探した。が、ない。

「マジかよ、帰りやがった!!」

『暴走ナントカ』とかっつーダサいステッカーの貼られた、見慣れたチャリがない。

「チッキショ、どーすんだ!?」

布団から直行したオレは、財布なんか持ってない。

「さすがに歩けねェべよ…。」

オレは体育館に引き返した。



もうほとんどが帰り支度をしているようだった。

良く見ると顧問と龍二の姿はなく、保健室にでも行っているんだと分かった。

「うぃーっス。」

オレはレイの肩を叩いた。

「えっ…、ああ。」

レイはキョロキョロとオレの側を伺う。

「紫亘先輩は?」

「先帰った。んでオレ金ねくてょ、バス代貸してくんね?」

「帰ったって何で!?」

「知らね。」

オレは悠長に右手を出す。

「何でだよ、怒って帰ったのか!?」

「んだから知らねェっつーの。」

部員共が聞き耳を立てている事に気付いた。

アニキが帰った理由なんかより、文無しのオレの心配してくれ。






「ていうか、交通費は部費から出てるから金持って来てないよ。」

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あきゅろす。
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