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遭遇!黒いロボット 1

 「あっ。」


 珍しく星が見える夜空を、流れ星が一つ落ちていく。

 その様子を目で追っていくと、住宅街の建設予定地に一直線に向かうように見えた。

 音もなく落下し、赤い閃光が家々の隙間から見えた。

 「な、なんだあれ!!」

 急いでパジャマから普段着に着替えるこの少年は岩浪マサカズ、通称マサ。立之山小学校に通う5年生。

 両親が起きないよう足に神経を集中させる。

 玄関の前まで来ると慎重に鍵を開け、音を立てないようそっとドアを開けた。

 「じゃ、ちょっくら行ってきまーす……!」

 家から出ればこっちのものと言わんばかりに全力疾走する。


 (ありゃあ絶対なんかあるに違いねえ!!オレの第六感がそう叫んでる!)


 あれだけ光ったのにこの場に誰も居ないのはこの街の住人が極度の無関心だからなのだろうか。

 それともただ面倒事に関わりたくないのか。

 理由はともかくとして、誰もいないと言うことはこのことを独り占めして楽しむことができるのだ。

 マサの頭の中はそれで一杯だった。



 目の前にそびえ立つ黒い巨体。



 立っているのかうずくまっているのかは分からない。

 しかし、目の前にあることだけは紛れもない事実。


 「こ、これだ…ゼッタイこれだ…!」


 触れようとしたそのとき、赤い光が浮かんだ。

 巨体が動く。


 「う、うぁわっ!!」


 一瞬視線があった。

 目をこすって周りを見た時には、既に巨体は消え去っていた。

 遠くで車が静かに走る音が響いて聞こえる。

 「く、車に……なった……?」

 ぽつりとその場に取り残されたマサはただ呆然と立っていた。



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あきゅろす。
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