2 ダ・アークの拠点にて、動き出そうとする悪
ダ・アークの拠点では、テイオルドが1人、玉座に腰掛けていた。虚空を見つめ、アイセンサーを瞬かせる。
イルリッツの作戦はあと一歩というところで失敗した。そう簡単に、思うようにはいかないか。彼らも中々粘ってくれる。
しかし
「いけ好かない連中だ……。」
こつこつと指で肘掛けを叩く。ふと感じた気配に指を止める。暗闇から姿を現したのはダイペイン。彼は玉座の前に膝をつくと、深く頭を下げた。
「お呼びでしょうか、テイオルド様。」
「ダイペイン、一つ話がある。」
「……それは、如何様なお話でしょうか。」
「私も、出撃をしたい。」
ダイペインは目を見開いた。それはなりません、という言葉が喉まで来たが、奥につかえて出てこない。
テイオルド様が自ら出撃なさるなど、あってはならない。我等の手で始末を付けなければならぬというのに!
「………機を見て、の話だ。」
「はっ……しかし、テイオルド様のお手を煩わせるなど!」
「私もエネルギーを確保しなければならない。作戦を遂行するために。」
「………御意。」
「次の作戦はお前に任せよう。用意が済み次第あの星へ向かえ。」
「はっ、次こそは…!」
微かに白煙を残し消えた部下を見、テイオルドは玉座に掛け直した。
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