見参!その名はバーンテイラー 4
コイツ性格変わりすぎだろ!!
マサは心の中で全力でツッコんだ。
「デットッパァァァァァァァンッ!!」
口上が終わるか否かのところで、デトパーンがまたも超音波攻撃を仕掛けてきた。
バーンテイラーは間合いを詰めようと走り出す。
「ばっ…バーンテイラー! 危ない、避けろッ!!」
「ボウズゥ! しっかり捕まってなァアッ!」
忠告に一切聞く耳をもたず、標的に向かい腰に備えた剣を抜きながら一直線に走る。
マサの予想通りに、バーンテイラーは衝撃波に正面から突っ込んだ。
「かんらからから! こんなチンケな攻撃が! あッ、俺様に効くと思ってェいるゥのォかァァッ!」
無傷。
「デトパッ!?」
合体一つでここまで変わるものか!
デトパーンは後ずさりした。
「ムラマサソォォオド……。」
チャキッ。
長刀を構え、デトパーンに向かって走り出す。
背部のブースターが展開し、蒼い炎の尾を引きながら加速していく。
そして、デトパーンの手前で空高く跳ね上がった!
「あッ! 大ィィィィィイ文字ィ斬りぃぃぃいいいいいいイイッ!!!」
ザンッ!
速く、そして大胆に三度斬りつける。
そのまま走り抜け、デトパーンを後方に置く形になった。
「デットパァァァアァァン!!?」
ドンッ! ドドンッ! ドガァァァァァ……ン!
デトパーンが破壊された事を確認すると、すらりとムラマサソードを仕舞った。
「あッ、これにてェ! 一件ン落ぅぅちゃぁぁくゥゥウ!!」
ダンッ!
シメのポーズを決めて一言。
それを聞いたマサは全身の力を抜いた。
「はは、し、しぬかと思った……。」
合体を解除して、ビークルモードのバンテラーとデインローダーになった。
バンテラーはマサに降りさせてロボットモードに変形した。
「いやはや、久しぶりに合体なんてしましたから肩が凝りました。」
「バンテラー、どっちがホントだよ……。」
それに凝る肩なんてもってねーじゃん。
と悪気はなしに付け加えた。
赤い目がぎろりと睨む。
気付かないのか、気にしていないのか…。
けらけらと笑うマサを見て、怒っては大人げないと軽く溜息を吐いた。
「何はともあれ、問題なく終わったことに変わりありません。」
「うん、そうだな!」
バンテラーの安堵した表情に、マサは笑い返した。
影が二つ、暗闇の中で揺れる。
「ダイペイン。」
「ハッ……罰は、承知の上です……!」
テイオルドは頬杖をついたまま、膝を付き頭を垂れるダイペインを見つめる。
白い巨体がゆらりと揺らいだ。
「次に、期待しよう。」
ダイペインは顔を上げた。現状を飲み込めない様子で首を傾げる。
考える間もなくテイオルドが言葉を繋いだ。
「下がれ。」
「は……ハッ!!」
何故、罰しない?……可笑しなお方だ。
そう思いながらダイペインは下がった。
「あっ、そーだ! ウチに来るんだろ? 早く行こうぜ!!」
「ああ、その件ですが、やはりお断りさせていただきます。」
明後日の方向を見ながらバンテラーが言った。
マサは当然、驚きと反感の声をあげた。
「ぅええッ!? 何でぇッ!!?」
「人を乗せたくありません。」
それを聞いて、思わず本音を言った。
「おまえ、ワガママすぎ。」
ビシッ。
バンテラーの額に青筋が浮かんだ(ような気がした)。
震える拳。
歪む唇。
引き攣る顔。
「誰がワガママですか、好き勝手言わないで下さいよ!」
「だって事実だろ! 認めろよ!!」
「な、ななっ、なッ、何ですってぇえ!!? 人が下手に出ていれば!!」
「どこが下手だよ!?」
アレストフィールドが無くなったことにも関わらず、ぎゃあぎゃあと路上で口喧嘩をする一人と一体。
次の日、この光景が新聞の一面を飾るなどとは、まだ誰も知る由がなかった。
→To Be Continued !
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