銀河系警備隊の場合
▼助けて神様、お願いします!
地球上には「バレンタイン」という行事がある。
今日は我々もそれにあやかろうということで、ガードエイダーがささやかながら企画したから集合せよ、という旨でレスキューエイダーを除く銀河系警備隊が集合していた。
これはどういうことだ、とファイヤーエイダーが顔面蒼白の状態で隣を見る。
するとダージングとレッシングは無言で首を横に振った。それはもう、目やら口やらが飛んでいくのではないかというくらいに。
3体は最後の晩餐のように長いテーブルに着かされ、彼らの前には3種類の固形燃料が並べられていた。
「1人1種類お食べなさい」
死刑宣告にも等しいバンテラーの声が頭の上から飛んできた。
目の前にある固形燃料は、右からパティシエが作ったイチゴタルトのようなもの、家庭的なチョコレートのセットのようなもの、何を使ったらこうなるのか分からない不定形の物体が並んでいる。
絶対に左端だけは食べるまい。
真っ先に動いたのはファイヤーエイダー。右端の固形燃料を鷲掴みにすると、そのまま口に放り込んだ。
「ああっ!」
「ずるいZe!!」
「ふぁやいほおあちあ(早い者勝ちだ)」
残るは、とレッシングが振り返るより早く、ダージング動いた。
「兄さんごめんなさい!」
「なっ、ちょ、えっ」
真ん中の固形燃料を懐に抱えている弟。
彼の選択肢は、なくなった。
「ちょ、ちょっと待ってYo…」
「待ったなしです、お食べなさい」
「ひぃいいいいいい!!!!!」
無情にも押し込められる不定形の物体。弟と同僚は、哀れな犠牲者に黙祷した。
予想通り泡を吹いて倒れたレッシングに、ガードエイダーが慌てて走り寄る。
「やはり、毒でしたか」
「隊長、何なんだアレは」
「あなた達から見て右から私、ガードエイダー、レスキューエイダーが作りました」
なるほど、バレンタインとは恐ろしい行事だ。
「それで、彼女は」
「人間を追いかけているでしょうね、アレの人間用を持って」
人類を滅亡させなければよいが、と全員が彼女に追われる人間を忍んで手を合わせたのは言うまでもない。
………………………
レスキューエイダー最強(最凶?)説浮上。
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