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3 お任せを、と胸を張る輩を睨む
 部下の二人を目の前に、テイオルドは「さて」と口火を切った。
 その瞳は、鋭い眼光で二人を射抜く。成功している作戦の経過報告だというのに、身震いしてしまうほど。二人は決して無能ではなかった。縁も所縁もないながら、互いの故郷では名を挙げていた武士であり騎士であったのだ。

 「首尾はどうだ、イルリッツ」
 「それはもう上々ですテイオルド様! 私のシャトートレイルズをもってすれば人間共が我々に平伏すのも時間の問題に過ぎません!!」

 そこで初めてテイオルドが目を細めた。安堵ともとれる穏やかな表情で、大言壮語に耳を傾ける。
 急ぐ必要はない。重要なのは目的を達成することだ。この星の情報もないまま、我々だけで広大な土地を侵略することは困難なのだ。

 テイオルド達にとって、地球人は基本的に無害、もしくは無力というあまりにも小さな存在だった。しかし、それすらも滅ぼそうとする理由は並々ならぬ破壊的衝動か否か。何に突き動かされているかなど、誰も考えてはいなかった。
 もっとも気を付けなければならないのは、あのロボット達。それこそが今、彼等が破壊しなければならない唯一の対象だった。それでも今回が初の――撤退に追い込んだ程度だが、ささやかな勝利を得たことに違いない。あと一手、追い討ちをかけられれば、予定より早くことを進められる、とテイオルドは考えていた。

 「油断はするな、奴等も愚か者ではない」
 「重々承知しております。ですがどのような手を使ってこようとも、私の勝利の方程式を崩すことなど出来ません!」
 「ならばお前に任せよう」

 「行くがいい、イルリッツ。お前とシャトートレイルズが我々に勝利をもたらさんことを!」


 「はっ、必ずや成功させてご覧にいれます!!」


 彼は全身を覆うように大きくマントを翻すと、闇の中に姿を消した。
 始終頭を下げたまま、主従の会話に耳を傾けていたダイペインは忌々しげにその跡を睨んでいた。



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あきゅろす。
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