遭遇!黒いロボット 2
次の日、立之山小学校。
教室に入るなりマサは友達である菅原ダイチに興奮冷めやらぬ様子で熱く語った。
「な、な、昨日の見た?赤い光がバーッて!あっち、団地の方でさあ!」
「いや、落ち着きなよマサちゃん。」
「これが落ち着いていられるかって!」
「なんも光ってないし、それ夢じゃないの?」
「オレこの目で見たんだって!ホントだって!」
「夢だよ、ゆーめー!」
が、このように流されてしまうのだった。
キーンコーン、カーンコーン、キーンコーン、カーンコーン
結局誰にも信じて貰える筈もなく、帰りのチャイムが鳴る。
(おかしいな、誰か一人くらい見てるハズなのに……。)
やっぱりおかしい。と、首を捻りながら通学路を歩くマサカズ。
「よし!」
ランドセルを背負いなおすときびすを返した。
「現場に、直行!!」
一目散に走り出す。
学校の裏道を通り街へ出る。
廃墟となったビルの裏を通り抜けて表通りへ向かう。
表通りは裏道とは一変して、発展したオフィス街になる。
何より、ここを抜けていけば建設予定地への一番の近道だ。
爆音。
表通りから聞こえる悲鳴。
逃げまどう人々。
「な、なんだ!?」
巨大なポストに頭と手足を生やしたようなロボットが暴れている。
これがアニメか漫画なら今更このデザインかよと明日の笑い話のネタにでもなっただろう。
映画のセットと考えたいがどうも違うようだ。
紛れもない現実。
笑えない。
「こ、こういう時って、アレだよな、正義の味方が助けてくれるパターンだよな……。」
じわり
じわり
どすん
どすん
確実に前へ進んでくる巨大ポスト。
「 とりあえず逃げるが勝ちだあッ!!! 」
全力疾走。
その時ロボットが腕を振り上げた。
マサのすぐ側にあるビルへ拳を叩きつける。
崩れるコンクリート。
降り注ぐ岩の雨。
「うわあああああああああああああああ!!!!!」
反射的に頭を覆い目を瞑った。
こんなことなら寄り道しないで帰れば良かった!
マサは心底後悔した。
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