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D.C.U〜桜内3兄弟の日常〜
Episode:41
ミキ「お待たせナイト♪……てあれ?先生1人ですか?」


澪の部屋に上機嫌で入ってくるミキ。


澪「なぁちゃんなら先に外で待ってるよ。」


ミキ「そうですか。御神先生お疲れ様でした。失礼します。」


澪「うん。おつかれ〜頑張ってね。
(なぁちゃんに話したのはまずかったかな……。暴走しなきゃいいんだけどね。なぁちゃんにああ言ったわりには私も矛盾してるよね。)」


澪は去り行くミキの背中を見つめながら微妙な顔をしていた。





ミキ「あ、ナイト♪
(……て、何してるの!?)」


ミキが外に出ると少し離れた所で騎士が青年の胸倉を掴み睨んでいた。


騎士「これ以上やると俺はあんたに何をするかわからない。それでも続けるって言うなら……わかるよな?」


゙コクコグ


騎士は周りには聞こえないくらいの声で言う。騎士の目付きや迫力のせいで青年は青白い顔で頷くしか出来なかった。


騎士「わかったならいい。早く消えろ。」


騎士が胸倉から手を離すと青年は必死な様子で走り去った。


ミキ「ナイト?」


騎士「……ミキ。」


ミキ「ゴメン。待たせちゃった?」


騎士「そんなに待ってない。ミキは仕事しているんだから謝るな。」


ミキ「う、うん。ところでさっきは何してたの?さっきの人、知り合いなの?」


騎士「……何もしてない。それより早く帰るぞ。」


騎士はそう言うなりミキの手を握り歩き出す。


ミキ「ち、ちょっとナイト?///どうしたの?」


騎士「どうもしない。」


ミキ「嘘。なんか怒ってるよ。」


ミキの言う通り、騎士の顔は少し怒気が混ざっていた。


騎士「………。」


ミキ「ナイト?」


騎士は無言でミキに近づくとおもむろに抱きしめ、耳元で囁いた。


騎士「ここだと話しづらいからミキの部屋まで待ってくれないか。」


ミキ「う、うん///」


騎士の様子に戸惑いながら頷くミキ。ミキが頷くの確認してから騎士は歩き出す。ミキの部屋に着くまで終始無言だった。







―ミキの部屋―
ミキ「紅茶でよかった?」


騎士「あぁ、ありがとう。」


騎士は出された紅茶を啜る。


ミキ「それで何、怒ってるの?」


ミキは騎士の隣に座り尋ねる。


騎士「……なんで言わないんだ。」


ミキ「え?」


騎士「ストーカーされてるならなんで俺に言わないんだ。彼氏じゃないけどなんかあったらちゃんと言えって言ったのに……。」


ミキ「……御神先生から聞いたの?」


騎士「あぁ。澪には言えるのになんでだよ。俺じゃそんなに頼りにならないのかよ。ハッ……そうだよな。こんなガキに頼れるわけないか。」


淡々と言葉を紡いでるが確実に怒っている騎士。


ミキ「違うよ!ナイトに余計な心配かけたくなかったの!!」


騎士「ミキの事が余計なわけないだろう。俺にとっては大事な人の1人なんだぞ。」


ミキ「ナイト……。」


ミキは騎士の言葉に嬉しいような哀しいような複雑な顔をしていた。


騎士「ハァ……ゴメン。」


カップを置き、額をおさえて謝る騎士。


ミキ「……どうして謝るの?」


騎士「怒ったりして悪かった。ミキは悪くないのにな。アハハ……少し情緒不安定みたいだな、俺。」


ミキ「……病室で聞きそびれたけど本当にどうしたの?」


騎士の様子に優しい声を出すミキ。


騎士「……不安、なんだよ。俺がいつまで゙こごにいられるか……。そう思うと怖いんだ。今の日常が楽しければ楽しい程……。それで何故かわからないんだがミキに逢いたくなったんだよ。」


ミキ「……。」


騎士「いや、違うな。俺はミキに依存してるんだ。だからミキに逢えば俺の不安がなくなるって……。」


ミキ「……不安はなくなった?」


そう言って騎士を後ろから抱きしめるミキ。


騎士「……あぁ。」


騎士は回された腕に手を置き安心した顔で目を閉じた。


騎士「そういえばさ。」


しばらくミキに抱きしめられていた騎士は何かを思い出した。


ミキ「どうしたの?」


騎士「ミキに伝えておきたい事があるんだ。」


ミキ「何?」


騎士「誤解されたくないから言っておく。芳乃家に居候が増えた。」


ミキ「……女の子?#」


騎士「あぁ。3人とオス犬が1匹だ。」


オス犬とは帝の事だ。


ミキ「可愛いの?#」


騎士「そ、それはそうだが俺の範囲外だ。
(く、苦しい……。)」


ミキの腕には力が込められていて少しだけ息苦しい騎士。


ミキ「歳下で範囲外だろうが同じ家に住んでると何かしら間違いが起こる事もあるんだよ?#」


騎士「安心しろ。絶対ないから。」


笑いながら言い切る騎士。


ミキ「どうして言い切れるの?」


騎士「今までだって音姫や由夢相手になかったじゃないか。」


ミキ「ナイトが言わないだけであったかもしれないじゃない。」


騎士「ないって。それにそうなるなら今頃、ミキが襲われてるぞ。俺の守備範囲なんだから。」


ミキ「……そんな気ないくせに。」


騎士「だから安心しろよ。」


抱きしめられた体勢のままミキの頭を優しく撫でる騎士だった。




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あきゅろす。
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