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D.C.U〜桜内3兄弟の日常〜
Episode:09
まゆき「はっ……!」


テンポの良い助走をし、軽やかにバーを越える。綺麗なフォームだった。


「1m75クリア。」


まゆき「ふ〜〜〜〜。」


「流石はまゆきね。この調子なら前回の記録は楽勝かな?」


まゆき「まぁね。どうだ、ナイト♪」


まゆきは笑顔で騎士を見る。


騎士「流石……と言いたいとこだが少し力み過ぎだ。動きが固い。それに踏み切りが少しずれてる。」


まゆき「むぅ……。」


少しむくれるまゆき。


「中々厳しいね、騎士君は。」


騎士「そうでもないさ。まゆき。お前は跳ぶ時どんな気持ちで跳ぶ?」


まゆき「そりゃ誰より高く跳びたいって……誰にも負けたくないって。」


騎士「そうか。」


まゆき「ナイトはどうなのよ?」


騎士はまゆきに眼鏡を渡す。


騎士「俺か?俺は誰より空に近づきたい。そして誰よりも高跳びを楽しみたい。」


゙フワッ゙


騎士はそう言うとさっきのまゆきより軽やかにバーを越えた。


まゆき「(ナイトの背中に羽があるみたい……何より本当に楽しそうな笑顔///)」


「(騎士君の跳躍はいつ見ても格好良い///)」


跳んでいる時の騎士の顔は高跳びが好きで仕方ないと物語っている。


渚「やっぱり騎士さんはすごいですね。」


騎士「ん、そうでもないさ。」


渚からタオルを受け取り汗を拭く騎士。


騎士「サンキュ。それより帝(あの馬鹿)から目を離しても大丈夫なのか?」


渚「大丈夫ですよ。縄でベンチに括りつけていますから♪」


まゆき「縄でって……。」


渚「帝さんはそのくらいしないと駄目ですから♪」


渚は素晴らしい笑顔で言い放つ。


騎士「ハァ……どうやらそのくらいではどうにもならないらしいな、俺の相棒様は。」


まゆき「?……あははっそうみたいね。」


まゆきは不思議そうに首を傾げていたが、騎士の見ていたもので納得した。


帝「ねぇ君もう帰るの?1人なら俺様が送ろうか?」


「え?悪いですよ。」


帝「君みたいにカワイイ子を1人にするなんて考えられないんだ。」


「そんな……カワイイなんて///」


帝は懲りずに女の子をナンパしていた。


渚「いい加減にしてください!!」


゙スパーン!!゙


帝「いでっ!」


渚のハリセンが帝の後頭部にヒットした。


騎士「いつの間に帝の所に……。」


まゆき「それよりあのハリセンはどっから出したのよ?」


渚「すみません。ご迷惑おかけしました。」


「大丈夫ですよ。皇先輩の彼女さんですか?大変だと思いますけど頑張ってください。」


渚「な……!ち、違いますよ///」


「あれ?違うんですか?」


渚「違いますよ///」


真っ赤な顔で否定する渚。


帝「おいおい、俺様と渚の仲だろ?なんでそんな冷たい事を言うんだ?」


渚「な、何を言ってるんですか///」


帝は渚を見つめる。


帝「〜〜〜渚はカワイイなぁ。」


渚「〜〜〜///」


帝に抱きしめられた渚の顔はこれ以上にないくらい真っ赤になっていた。


騎士「あいつはまた渚で遊びやがって……。」


まゆき「あれで付き合っていないのが不思議なんだけど……。」


まゆきの言葉に陸上部全員が頷いていたそうだ。




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あきゅろす。
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