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【完結】 Novel〜Lord's Soul〜
story26 希望の誓い



「それじゃあ野郎ども!!ムジカの仲間入りを祝って乾杯だぁ!!!」


「かんぱーい!」




リオナとムジカが部屋に戻ると、
すでにパーティーの準備が整っていて、
ラードが今か今かと待ちきれないように部屋中を歩き回っていた。


そして始まったパーティー。


マーシャとラードはすでに酒を四本飲みきっていた。


しかし問題はラード。


すでに酔いが回っていて、
いつも以上にうざいテンションである。


「それにしてもムジカはカワイいなぁ!!」


ラードはさりげなくムジカの肩に手を回す。


「・・・・・いや・・・全然そんなことないです。」


人と話すのが苦手なムジカは少々おびえ気味にラードから離れようとする。


が、腕を回されているため、
またグイッと引き戻されてしまった。


「まぁたまたぁ!!そこがまたカワイいな!!!なぁ俺と付き合わない?付き合っちゃおうよ!」


いきなりの告白に思わずリオナは飲み物を吹き出しそうになった。


「な・・・・何言ってんだよラード・・・!」


「そうよアンタ!!最悪な男ね!!」


しかしラードは耳を傾けるどころかムジカに迫り続ける。


相当酔っているようだ。


「なぁムージカァ!!つきあおーよぉ!!!」


そのムジカはというと、
困ったようになにやらメモ帳を見ている。


そしてピッタリの言葉を見つけたのか
嬉しそうにラードをみて口を開いた。


「めんどくせぇんだよ。」


しかも棒読み。


「!?」


誰もが呆然とムジカを見る。


「ちょっ・・・!!ぇえ!?いまなんつった!?」


「えっ・・・めんどくせぇんだよって言ったの。」


「ガーン・・・・!!」


ラードは白目をむいてしまった。


・・・・そんな言葉・・・ルナは教えてないぞ・・・?


「ムジカちょっと貸して。」


「・・?」



リオナはムジカからメモ帳を奪ってページをめくっていく。


すると最後に明らかに筆跡が違うものがあった。


¨人に何かを頼まれたら、『めんどくせぇな』と言えば解決¨


この字体は・・・・・


「・・・マーシャ・・・・」


リオナは髪を逆立てながらマーシャにつかみかかる。


「あっ。バレた?」


「・・・バレたじゃない。変なことを教えるな!」


リオナは急いで書き直してムジカに返した。



「そう言えば聞いたわよ!シキと絶縁したんだって!?」


「まじかよ!?」
「・・・・そうなのか・・・・・・・?」


「まぁーな。」


三人からの問いかけに、
マーシャは平然と答える。


「まぁーなってアンタ・・・・・シキよ!?シキとは親友みたいなもんじゃない!」


「でも実際相性は合わないし。」


「そーいってもよぉ!!シキはマスターの右腕だぜ!?アイツに喧嘩売るってことはマスターに宣戦布告してるようなもんだぜ!?!?なぁリオナ!?」


極力この話には触れてほしくなかったのだが・・・・。


リオナは困ったように目線をそらした。


「マーシャのせいじないよ・・・シキのこと怒らせた原因は・・・俺なんだ。」


「でもリッチャンはいいことをしたと思うわ。シキは頭が堅すぎなのよ。」


「だろ?アイツまじめすぎなんだよ。」


マーシャは勢いで更に酒を盛る。


「しかもシキのやつ妙にスペシャルマスターの俺らに目ぇつけてるしな!!!やんなっちまうぜ!!!」


ラードがグイッと一気に酒を飲むと、
ムジカはそれに驚いたようで目を丸くした。


「あーあ。処分どうなっかなぁ。」


「・・・・俺絶対降格だわ。」


《えー!オイラやだぁ!!》


でもシキならやりかねない。


「マーシャも降格したりしてな!!ガハハハハハ!!」


豪快に笑うラードの頭をユリスは思いっきりたたいた。


「笑い事じゃないわよ!!私このメンバーじゃなきゃスペシャルマスターやりたくない!!」


「んなこと言ったって。まぁまだ決まってないし。」


《いつ!?いつきまるんだ!?》


「さぁな。」


マーシャは酒瓶のふたをポンと開けると
それを口元に持っていき、
勢いづけるように一気に飲み干す。


空いたビンをベンが受け取り、
小さく呟いた。


「・・・・・・きっと一ヶ月は先だな・・・マスターは今出張中だ・・・・」


「じゃあその間にシキをやっつけっか!?」


そう言って腕を振り回すラードを
マーシャが酒瓶で軽く叩く。


「やめとけやめとけ。シキは容赦ないぞ。なぁリオナ?」


「・・・うん。昨日思いっきり腹に食らった。」


思い出すだけで痛くなってくる。


「うそー!?リッチャン大丈夫!?もぉシキのやつー!!許さないわよ!!!」


・・・なんかシキの評判ガタ落ちだな・・。


絶対俺たちのせいだ・・・。













そのあとも宴会(?)は続き、
夕方になっても飲み続けていた。


「でな!そこでぇ〜俺がぁばしぃんとイッパツゥ〜殴ってやったわけぇ〜。」


「アハハハぁ!!マーシャそれけっさくぅ〜!!!」


スペシャルマスターの四人はすっかりデキあがっていた。


さっきから訳の分からないマーシャの武勇伝を聞きながら、
リオナは飽きてきていったん席を外し、
自分の部屋に行こうとした。



「あれ・・・?」


そういえばムジカはトイレに行くって言ってから帰ってきてない。
軽く三時間はたったか?


まさか便秘・・・・はないな。


リオナはムジカの部屋に行き、
そっと覗いてみる。



・・・・なんだ。寝てたのか。



ムジカはラードからもらったばかりのベッドで寝ていた。


しかもかなり大きなベッドにも関わらず、ムジカは壁の方を向いて小さく丸まっていた。



リオナはそっとベッドに近づくと、
何やら枕元に本がおいてあるのに気がつく。


静かにベッドに腰を下ろし、
本を手に取った。


・・・・"悪魔と神"


中をちらっと見ると
神と悪魔の関係や、
ローズ・ソウルのことが事細かに書かれていた。


・・・こんなの読んで楽しいのか?というか読めるのかな。


そもそも・・・・ムジカは知らないのか?


悪魔と神の関係や・・・・ローズ・ソウルのこと・・・・



「あ・・・・・れ?・・・・・リオナ・・・・?」


ムジカは半分目を閉じたまま体を起こし、
目をこすりながらリオナを見る。


「あっ悪い起こした?まだ寝てていいよ。」


「んーん・・・・大丈夫。」


とか言いながら眠たそうに大きな欠伸をした。


「あ・・・・・それ。」


ムジカはリオナが持っていた本を見る。


「・・・ムジカ、この本読めるの?難しそうだけど。」


「ううん。読めなかった。」


やっばりな。


「でも興味があったから。」


そう言ってリオナの横にきて本を開く。


そしてパラパラとめくり、あるページを指さした。


「これが知りたいの。」


「ああローズ・ソウル?ってムジカ知らないのか?」


サタンの娘なのに?


「うん。聞いたことはあるけど。」


「じゃあ悪魔と神の関係はわかるか?」


「敵同士なんだよね?」


「そう。ローズ・ソウルはだな・・・・・」


リオナはだいたいのことをムジカに説明していった。


「じゃああと3つ回収しなきゃいけないの?」


少しリオナはビクッとする。


確かに三つだが・・・・・・そうでもない。


「うー・・・・・・・うん・・・・でも・・・・・違う。」


「・・・・・?」


ムジカになら・・・・いいか。


リオナはさっと立ち上がり、
ムジカの腕を引いて自分の部屋へ連れて行く。


ムジカが入るのを確認すると、さっとドアとカーテンを閉めて部屋を外から遮断する。


「暗い・・・」
「大丈夫だよ。ちょっと待ってて・・・。」


リオナはさらに奥の部屋へ行き、あるモノを持ってくる。


「ムジカ。今から見せるモノは絶対に他の人にいわないでほしい。」


「うん。わかった。」


「・・・・じゃあ目、つぶって?」


ムジカが目をつぶるのを確認すると、
リオナはムジカにあるモノを持たせた。


「はい。あけていいよ。」


ムジカはそっと目を開ける。


すると手のひらには真っ暗な部屋を赤く照らす小さな玉があった。


「うわぁ・・・キレイ・・・」


ムジカは思わず見とれてしまったのか、
興奮して背中の羽をパタパタさせる。


「これがローズ・ソウルだ。」


「これが?なんでリオナが持ってるの?」


「さっき言ったようにフェイターはローズ・ソウルを盗むのに帝国ごとつぶしにかかるんだ。俺はたまたま自分の国の城の宝を盗んでるときにローズ・ソウルを手に入れて、そのままフェイターの襲撃が始まってさ。そんでマーシャに連れられて逃げたんだ。」


「じゃあ・・・リオナの家族は・・・・」


「・・・・死んじゃった。」


「ごめん・・・・」


「・・・・謝んないで。しかも俺家族のこと覚えてないし。」


リオナはムジカからローズ・ソウルを受け取ると、
もとの場所に戻し、
カーテンを開ける。


外は夕日で空を真っ赤に染めていた。


「だけど・・・・必ず思い出すよ。ちょっとずつでもね。」


「・・・・うん!私も手伝うよ!」


ムジカも窓の外をみるリオナの隣に行き、
夕日を眺める。


「あのさ・・・気に障ったら悪いけどさ、ムジカは・・・サタンの娘なのにあんまりココのこと知らないんだな。」


「うん。全然知らなかった。」


ムジカは目を細めながら夕日を見つめる。


「私にはね、兄がいるの。兄も私と同じで見た目は人なんだけど・・・サタンの血を濃く引き継いでいるから見た目を簡単に悪魔みたいに変えることができたし、どんな悪魔よりも強くて頭が良かったの。」


「へぇ・・・・・」


「それに比べて私は力が弱かった。サタンの娘なのにね。しかも周りからは見た目でからかわれるしいじめられるし・・・・。そしたら兄は私をね、悪魔の恥だって・・・・役立たずはおとなしくしてろっていって・・・ずっと城に閉じこめられてたの。だから私、人間界のことを何にも知らなかった・・・」


「ひどすぎる・・・・。」


実の兄なのに・・・・


「でもね、お母様は違った。少しだけど人間界について教えてくれたりしたんだ。」


ムジカの表情は一変してうれしそうになり、
目はとても輝いていた。


「へぇ、どんな事聞いたんだ?」


「あのねっ、空があるって聞いたの!昼間は真っ青な空が広がっていて、夜になる前は空が赤く染まるって!」


「うんうん。」


「私どうしても空が見てみたかった。青ってどんな色なんだろう、どう青から赤に変わるんだろうって。でも・・・」


「でも今こうやって見ることができた。」


「・・・うん!」


ムジカはリオナの手をつかみ、
ギュッと握りしめる。


「リオナのおかげだよ。ありがとう。」


「・・・うん、感謝しろ。」


「はーい。あははっ!」


リオナはムジカの頭をくしゃくしゃっとする。


「リオナがお兄ちゃんだったらなぁ。」


「・・・俺、冷たいよ?もしかしたらムジカの兄貴より怖いかも。」


「あははっ!じゃあ友達でいい!」


「無難だな。」


日はだんだんと落ち掛かり、
空は赤から紫に変わっていく。


「外に行こう。」


「え?」


「星。見たことある?」


「ううん・・・・月しかないかも。」


「よしっ。見に行こう。」


リオナはユリスがもってきた服の中からコートを探し、ムジカに羽織らせて、リビングに向かう。





リビングではまだ飲み続けるマーシャたちがいた。


「おーリオナァ〜ムジカァ〜。お前らものもーぜ。」


酔っ払ったマーシャが絡みついてくる。


こうなると面倒なんだ。


「いや、俺たちちょっと外に行ってくる。」


そう言ってでようとすると、
マーシャがリオナの腕をつかんで離さない。


「マーシャ?」


相当酔ってるな。


マーシャは普段こんなになるまで飲まないんだが。


たぶん・・・シキの事だな・・・。


なんだかんだ気にしてんだな・・・・・・・。


「リオナ〜ちょっとこっちぃ〜」


「え?何?」


仕方なくマーシャの横に座る。


「リオナこっちぃ〜」


「だからな・・・・」


ブチュゥゥゥゥゥゥゥ



「・・・・・・・・・・・・!!!!!!」


マーシャの顔が近づいたと思ったら・・・・・


まさかのキス。


「やぁりぃ。リオナのファーストキスげっとぉ。ははははは!」


「ナイスマーシャ!!!ガハハハ!!!」


「あははは!!!リッチャンかわいー!!!!」



リオナは口を押さえたまま唖然とし、
固まってしまった。


「・・・・・リオナ大丈夫か・・・・・・?」

リオナは首を横に振り、立ち上がってムジカを連れて部屋を出た。


《あーオイラも行く!!》


B.B.も急いで後を追いかける。


・・・・俺のファーストキスが・・・


マーシャだなんて・・・・!


「・・・・・・リオナ大丈夫?」


ムジカがそっと顔をのぞく。


「ムジカはあんなことしちゃダメだぞ・・・・。」


「うん。」


《リオナ安心しろ。オイラなんか三回もされた。》


「うわぁ・・・・災難」


気を取り直し、
リオナ達はエレベーターで一階まで降りる。


一日ぶりくらいに降りた一階はすでにクリスマスモード全開。


ムジカは色とりどりの装飾に目をとられながら喜びに満ちあふれた顔をしていた。


そういう表情はすごく嬉しい。


「・・・ほら上ばっかみてると危ないよ?」


「うん。」


と言っても、リオナの袖をつかんだまま、上を見ながら歩いている。


《あっ!!みてみて!!星だ星!!》


B.B.は高く飛び、ツリーのてっぺんの星に飛びついた。


「あっ、コラB.B.。」


「あれが星かぁ。きれいだなぁ」
「違う違う。確かにあれも星だけど・・・・」


すると次の瞬間、
リオナの背中に誰かが抱きついてきた。


「リオナくんみーっけ!」


この声は・・・


「・・・・コロナか。離せ。」


「えーつめたーい!!たまにはいいじゃん!」


コロナはさらに力を入れて抱きついてくる。


「・・・・いいから離れろっ」


強く言うと逆にムジカがビックリしてしまい、
急いでリオナの袖を掴んでいた手を離してしまった。


「あっ・・ムジカじゃなく・・」
「誰この子?」


コロナは少々ムジカを睨みながらムジカに近づいた。


なんかいやな予感・・・




すると、
今度はB.B.が目を離した隙にツリーの上で暴れ始めた。


ツリーは左右に揺れ始め、
今にも倒れそうだ。


「・・・・ああもう!!ちょっと待ってて!!」


リオナは2人から離れてB.B.を止めに行った。


取り残されたムジカは、
目の前で自分を睨んでくるコロナに困り、
とりあえず挨拶をする。


「あ・・・・あの・・・ムジカって言います。な、なか、仲良くしてくださいっ・・・」


ムジカは心臓をドキドキさせながら手を差し出す。


「あんた、リオナ君のなに?」


鋭い問いかけにさらに心拍数が上がる。


「え・・・・いや・・・わた・・・しはリオ・・ナの・・・契約した・・・悪魔です・・・・」


「悪魔!?」


コロナはムジカの背中を見た。


「翼!?」


黒々しい翼を見てコロナは一気にムジカから離れる。


「あっ・・・別に私攻撃とかは・・・」
「こないで!!!」


「・・・・・!!」


「近寄らないで!!あとどうやってリオナ君に取り入ったか知らないけどリオナ君に何かしたら許さないから!!」


「私・・・取り入ろうとなんか・・・」
「うるさい!悪魔のなりかけのくせに!!」


コロナはムジカの手を払うと、
スタスタ歩いて行ってしまった。


「・・・・・・・・・」



・・・胸が・・・ズキズキする・・・・


なんでかな・・・・


ムジカは手で胸を押さえる。


悪魔のなりかけ・・・か








《リオナいたい!!》


「・・・・お前が悪いんだ。これ以上何かやらかしたら降格どころか死刑だからな。」


リオナはB.B.の耳を引っ張りながらムジカの元に戻ろうとする。


「あれ・・・?コロナいないし。」


《??なぁムジカなんかさっきと様子ちがくない??》


確かに少し俯き気味。


リオナ達はそっとムジカの後ろから顔をのぞき込んだ。


「どうかしたか?」


ムジカはビクッとして顔を上げる。


「!?あっ・・・いや・・・なんでもないよ!?きれいな星だね!!」


するとムジカはニコニコしながらツリーに向かって走り出した。


・・・?


リオナは少し違和感を覚えながらもあとを追った。


「・・・ほら外に行って本当の星見に行こう。」


「うん。」








三人は外にでると、大理石の階段に腰を下ろした。


「うわぁ・・・・・キレイ・・・!!」


夜空には宝石のように空を埋め尽くす星がキラキラと輝いていた。


ムジカは目を輝かせて嬉しそうに手をたたく。


「だろ?」


《オイラ星まで飛んでけるー!!》


「ほんと!?」


「・・・・嘘だよ。」






しばらく黙って星を見ていると、ムジカは空に向かって手を伸ばし始めた。


「星・・・とれないかな。」


冗談で言ってるのかと思ったが、表情は本気である。


「とれたらいいのになぁ。」


「ね。」




冬の冷たい風はやっぱり気持ちいい。




熱くなる体も心も穏やかにしてくれる。




「お母様も・・・・見てるのかな。」


「星?」


「うん。」


「そうだな。きっと見てるよ。」


するとムジカはバッと立ち上がり、
空に向かって拳を突き上げた。


「私!お母様を見つけてみせる。強くなって、絶対にお母様にもう一度会うんだ!!」


ムジカの強いまなざしを見て、
リオナの胸に熱い何かがこみ上げてきた。


リオナもスッと立ち上がり、
拳を空に向けてつきだした。


「・・・じゃあ、俺も。絶対に記憶を取り戻してやる。」


2人は目を合わせて笑う。


《オイラは・・》
「俺は世界一のオムライスを作る!!」


「マーシャ!」
「マーシャ!?」


いつの間に現れたのだろうか。


マーシャはB.B.を吹き飛ばすと
後ろから二人の肩をつかみ
マーシャが空に向かって声を張り上げた。


「よぉし!俺たち三人でがんばるぞ!」


「おー!」
「おー!」


三人は再び空に拳を突き上げた。


《オイラも入れろよぉ!!!》


マーシャに弾き飛ばされたB.B.が、半泣きで三人の周りを飛び回る。


「お前は何すんだよ?」


「・・・どうせまた」


《天下をつかむ!!》


「ほらな・・・。」


「B.B.カッコいい・・・!!」


「・・・・どこがだよ」


「あ〜あリオナどうする?B.B.にムジカとられちまうぞ?」


「・・・うるさい。俺はマーシャにファーストキスを奪われたけどな・・・」


「あっ、覚えてたのか。だってリオナのこと大好きだから。ムラムラしちゃって。」


「バカにしてんのか?」


《リオナのバーカ》


「リオナってバカなの?」
「ムジカ・・・・」
「ご・・・・・ごめんなさい・・・・!」



夜のダーク・ホームに久しぶりに笑い声が鳴り響く。



新たに始まる生活に、


それぞれが胸をときめかせる。



そう・・・誰もがこのままいつも通りの日々がすぎていくと思っていた・・・



しかしこの4人の出会いによって
それぞれの運命の歯車が逆回転し始めるのは、

すぐ後のことである。

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