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【完結】 Novel〜Lord's Soul〜
Epilogue-memory-
真っ白な世界

何もないまっさらな世界

秩序もなにもない自由な世界

そこに居るのはひとりの男とひとりの青年

ひとりは永遠の時を眠り続ける銀髪の青年、リオナ。
もうひとりはその青年を見つめ続ける、かつて神と呼ばれた男、エルゼン。

あの日からどれくらいたったのか。
何年たったのか。

この世界に時など存在しない。

そんな穏やかな世界に、もうひとりの男が現れる。

「・・久しぶりだな。更夜よ。」

更夜と呼ばれたその男は、優しい笑みを見せた。

「全く・・・あなたという人が無茶をいうから僕は・・・・僕たちはいつまでたっても永遠の眠りにつけないよ。」

「・・・・すまない。」

更夜はエルゼンに近づくと、エルゼンの膝で眠るリオナに手を伸ばした。

軽く髪をすき、頬を撫でる。

「更夜、それで見つかったか・・・・?」

エルゼンの問いかけに、更夜は渋い表情を見せる。

「・・・見つかったよ。でも、相当深いところまで堕ちたようだ。連れ戻すのには時間がかかる。なんせ奴らは野蛮で無秩序だからね。」

「そうか・・・・」

「でも、本当にそれでいいの?彼らはこんなこと望んでないかもしれない。特にリオナは・・・・」

「リオナが目覚めることを拒絶していることはわかっている。彼がずっと永遠の眠りを望んでいたのも知っている。だが、それはリオナの本来の望みではない。」

リオナが本当に望んでいること。

それは言わずとも知れたことだ。

「・・・・わかった。エルゼンがそう言うなら、僕とルナで全力を尽くすよ。」

「本当にすまない。」

「いいんだよ。これは僕とルナからの・・・・リオナへの罪滅ぼしでもあるから。」

そう言って更夜は苦笑を浮かべ、その場から姿を消した。

「・・・・もう少しだ。リオナ。すまない・・」

エルゼンの涙が、リオナの頬に落ちた。






















生き残ってしまった。

目覚めた時にまず最初に思ったこと。

あの戦いで死んだと思ったのに、
今俺は、ここで、この世界で、再び息をしている。

最後に覚えてる記憶は、
マーシャが俺の名前を何度も呼んでいたこと。

"シキ・・・・!!!シキ!!シキぃぃい!!!!!"

思い出すだけで、叫び声を上げたくなる。

何度でも思う。なぜ生き残ってしまったのかと。

でも、悪いことばかりでもない。

俺以外の仲間たち、シュナ、ナツ、ラード、ユリスもなんとか一命を取り留めたのだ。

これも全てクラッピーとクロードの"時の加護"のおかげだ。

しかしその代りに2人が・・・・犠牲となってしまった。
俺たちの命と引き換えに。

残された俺たちに刻まれた感情、それは喜びでもなんでもない、
生き残ってしまったことへの罪悪感と絶望感だけだった。


全員が完全に立ち上がれるようになったのは、
あの戦いから3ヶ月たってからだった。

久々に全員が顔を合わせ、なんだか少し恥ずかしさが込み上げる。

「・・・みんな、無事でよかった。」

皆、小さく頷くものの、やはり表情は暗い。

新しい世界、新しい時代が始まったにも関わらず。

体の傷は癒えても、心の傷は一生かけても治ることはない。

特にシュナの表情は酷く暗い。

目覚めたあの日から、シュナは一度も笑ってない。

作り笑いはするものの、どれもこれも全てが苦しげで。

リオナを失った悲しみと、ひたすら闘っているのだ。

ラードとユリスも、いつもなら冗談の一つや二つ言うところも、何も言わない。

参ったな・・・・

ビットウィックス亡き今、
このダーク・ホームを立ち直さなければならないというのに・・・・

いや、立ち直させて、どうする・・・・?

もう悪魔の役割は終わったのだ。

神なき世界に、もう悪魔の存在も必要ない。

俺たちエージェントも、もう・・・

[なぁ、俺・・・考えてたことがある。]

するとこの暗い沈黙を一番に打ち破ったのが、
まさかのナツだった。

全員がナツを見つめる。

[もう、俺たちダーク・ホームの役目は終わった。現に赤の屋敷にいた悪魔たちはすでに天上界へ帰って行った。けれどサタン亡き今、天上界は荒れに荒れている。]

それもそうだ。

長が居なくなったのだ。

そう思うとビットウィックスの存在はとても大きいものだった。

[ビットウィックスは言っていた。これからどうするかは俺たちが決めろって。俺たち人間が。きっと天上界なんて放っておいてももう人間界には何も影響はない。勝手に滅んでいくだけだろう。だけど、俺はそうしたくない。]

ナツの真っ赤に染まる強い瞳に、思わず吸い込まれるように見惚れてしまう。

[悪魔たちは俺たち人類に力をくれた。だから悪魔たちを絶滅させたくない。その為に、もう一度初めから仕切り直そうと思うんだ。もちろん人類が悪魔の世界に口出しをする訳ではない。しばらくは俺の兄貴と妹に、天上界は任せることにした。でもこれはしばらくの話だ。いつかは悪魔たち自身に天上界を守って欲しいと思っている。そしてあわよくば、今までのような良好な関係を築きたい。人類と悪魔のな。]

「・・・・では、ダーク・ホームは?」

[ダーク・ホームは俺が立て直す。]

目覚めてから初めて、光を見た気がした。

眩しい光を。

[神もフェイターも化神もいない今、俺たちには何もない気がしていたが、そんなことないと思うんだ。この果てしない戦いを唯一知っている俺たちは、その戦いの記憶を後世に残す必要があると俺は考えた。だからこれからは裏の闇組織だなんてものじゃなくて、ちゃんと表で、これから辿っていく世界の軌跡を記録していきたいと思うんだ。]

なぜだろう。

涙が、一筋頬を伝った。

なぜ俺は、後悔をしたのか。
生き残ってしまっただなんて思ってしまったのか。

そんな自分が情けない。
本当に、情けない。

ナツはこんなに、前を向いているのに。

[だから、どうか俺に力を貸して欲しい。俺1人にはできないんだ。だから、頼む。]

そう言って頭をさげるナツ。

ビットウィックス・・・・見ているだろうか。

ナツは貴方のお陰で、こんなにも成長をした。

そんなナツに最初に抱きついたのはユリスだった。

続けてラードもナツを抱き寄せる。

「ごめんねなっちゃん・・・わたし、さっきまで最低なことばかり考えていたわ。なっちゃんはこんなにもこの世界のことを考えてくれていたのに・・・・」

「俺もだ。本当に情けねぇよなぁ。悪い・・・すまなかった。」

ラードとユリスはナツから離れると、お互い目を合わせて、強く頷いた。

「なっちゃん、私を仲間にして欲しい。」

「俺もだ!何にもできねーけどな!」

そんな2人に、ナツは穏やかな笑みを浮かべた。

[2人とも・・・・ありがとな]

ああ、もうナツも心配する必要はなさそうだ。

もう立派なひとりの人間だ。

シキは思わず安堵のため息をつく。

[で、シキとシュナはどうするんだ?]

「・・・・え?」

[これからどうするんだ?別に無理に俺についてこなくてもいい。これからはお前らの自由だ。]

"自由"・・・・か。

そうか、考えもしていなかった。

これからどうするか・・・・

自由なんて、生まれてこのかた無かったから。

ここダーク・ホームで生まれ育った俺には、
世界の全てはここだったから。

でも、考えなくとも、俺は決めていることがひとつだけある。

「・・・・俺は、シュナについてゆくよ。」

「シキさん・・・?」

シュナが驚いた様子で顔を上げた。

「この子は俺の大切な弟みたいなものだ。だからシュナをもう少しだけ見守りたい。ダメかな。」

そんなシキに、シュナは頭を横に振った。

少し安心した。拒絶されなかったことに。

「それで、シュナはどうしたい?やりたいこと、あるんだろう。」

そう、シュナにだって心に決めていたことがあるはず。

今は悲しみに暮れてしまって、目の前が曇って見えなくなっていたかもしれないけれど。

でもナツの言葉で、その曇りも晴れてきただろう。

俺たちと同じように。

「俺は・・・・」

戸惑うシュナの背中に手を置く。

大丈夫、大丈夫だから。

「・・・・俺は、光妖大帝国に帰りたい。」

震えながらもようやく口にした言葉に、
ナツやユリス、ラードも笑みを見せた。

「帰って・・・・もう一度、今度こそ逃げずに、国を立て直したい。」

[・・・・ったく、最初から素直に言えばいいものを。]

「いいじゃないシュナ!頑張りなさいっ。」

「そういやぁ〜お前王子だったか!ガハハハ!似合わねぇ〜!」

笑う3人に、「もうっ・・・・!!!」と言いながらシュナは頬を赤く染める。

「でも、光妖大帝国が立ち直ったそのあとは・・・・ここに戻ってきたい。ここでみんなとまた、一緒に世界をみたい。ダメかな・・・・?」

シュナのその言葉に、ナツたちは再び笑った。

もちろん、肯定を意味して。

そうか・・・・これが新しい世界か。

シキは思わず窓の外に見える真っ青な空を見上げた。

「・・・・リオナ、マーシャ・・・・お前たちが守った世界は、とても明るいよ。」

きっとこの先、再び暗闇に飲み込まれそうになることもあるかもしれない。

けれど大丈夫だ。

人々はもう、光の見つけ方を覚えたから。

大丈夫、世界は、変わり続ける。

明るい方へと、変わり続ける。























あの地獄のような出来事から、10年がたった。

10年なんてあっという間で。

時がたつというのは本当に恐ろし。

あの日のことは、今でも鮮明に思い出せる。

"神"が完全に滅んだあの日。
"フェイター"との戦いに幕が下りたあの日。

あの日の事を、人々は"終焉の日"と呼んでいる。

その"終焉の日"、僕は光妖大帝国の城下町にいた。

人々を避難させ、怪我人の手当てに回った。

けれど本当は、リオナのところに駆けつけたかった。

頭の中はリオナでいっぱいで。

ようやくあたりが落ち着いてきて、
キッドと共にリオナの元へ向かおうとしたその時だった。

遠くの方で何かが爆発したような光が見えた。

そう、全てが終わった光の合図。

駆けつけたときにはもう・・・・リオナはいなかった。








"終焉の日"から半年間は、ダーク・ホームでキッドと共にお世話になった。

ダーク・ホームは名前を変え、"ラストリア"という組織を新たに立ち上げた。

世界の今までの歴史、これからの歩む道を記録してゆくのを主な役割としている。
今までと変わらないのは中立という姿勢。
世界に再び闇が襲いかかればもちろんそれに立ち向かう。
だが、どこかの国に肩入れなどはしない中立的な立場を維持してゆくそうだ。


ダーク・ホームに今までいたメンバーたちには、ナツより解放令が下った。

悪魔の時代は終わった。
あとは好きに生きて欲しいと、ナツはそう言った。

ほとんどのメンバーが思い思いに神の島をあとにし、新たな人生を歩みだした。

もちろん、残った者たちもいる。

少人数ではあるがなかなか活気のある組織になりそうだ。

そんな中、シキとシュナもダーク・ホームを旅立った。

2人は光妖大帝国の再建に力を注ぐそうだ。

恐らく何年もかかるだろうとシキは口にしていた。

出発する前に、シキとシュナからキッドに声がかかった。

「一緒にやってみないか」と。

キッドはとても迷っていた。
フェイターとして生きてきた自分が、関わっていいのかと。

しかしシュナとシキは「気にすることなんてない」と笑顔で言った。

その時キッドは僕にも一緒に来て欲しいと言ってくれた。

でも僕は・・・・それを断った。

僕は、行けない。

たとえキッドがどこに行こうとも、僕はキッドにはついていけない。

だって僕は・・・・僕のせいで・・・リオナは・・・・









みんなが旅立ってすぐに、僕は故郷の大魔帝国に帰った。

国は以前と変わらない姿でそこにあって。

時が正しく戻った世界。
この世界で、大魔帝国の壊滅を知るものはもう殆どいないのだろう。

ああ、本当にあれは夢のような出来事になってしまったのかと、胸が痛んだ。

「ウィキ・・・・!!!!!!」

ラグの町についた時、一番最初に僕に気がついたのはやっぱりお父さんだった。

本来なら6歳の姿である僕だけれど、大きい姿のままでもお父さんは何も言わずに僕を抱きしめてくれた。

「・・・おかえり、ウィキ」

その言葉に、涙が溢れ出た。

僕はお父さんとお母さん、そしてバルドに全てを話した。

今まであったこと、リオナのこと。
全て。

お母さんは、リオナの名前を何度も呼んで、それからずっと泣き通しだった。

しばらくリオナの名前を出せなかった。
出せばお母さんが泣いてしまうから。

けれどそんな日から10年。

お母さんも今では笑顔で毎朝毎晩リオナの写真に向けて話しかけている。

「おはようリオナ!今日はダンの34歳の誕生日よ♪」

そう言って写真の前に花をたむけた。

あれから僕は、バルドの知り合いの元で魔法薬学の勉強に勤しんでいる。

バルドは再び中央都市にある国王が住む城で暇なく働いている。
どうやら本格的に帝国内の差別を無くす活動を始めるようだ。

そんな中、お父さんは八百屋を辞めて新しい仕事を始めた。

いわゆるライターだ。

国で起きた出来事を記事にして売り込んだところ、なんと人気が出てしまい、今ではなかなかの売れっ子ライターだ。

そのお陰で以前よりかはマシな生活を送れている。

僕は薬学の勉強を終え、
家へと続く道を歩いていた。

いつもと変わりない毎日。

起きて、勉強して、寝る。

ただそれだけ。

それ以上もそれ以下もない。

ふとその時、瓦礫の山が目に入った。

昔よくリオナと登ってたっけ・・・

そんなことを思っていると、無意識に足は瓦礫の山を登り始めていて。

昔はあんなに軽々と登れたのになと思ってしまうくらい体が重たく感じる。

てっぺんまで登りきると、そこは絶景だった。

今にも沈んで消えてしまいそうな夕日と、
うっすらと見える星たち。

なんて綺麗なんだろうか。

「あら、ここにいるなんて珍しいじゃない。」

するとその時、後ろから声がした。

振り返るとそこには親友のサラがいた。

「サラ・・・・」

「相変わらず無表情ね、ウィキったら。まるでリオナみたい。」

サラはいつもそう言う。

じゃあどうやって笑えばいい?
もう笑い方なんて忘れちゃったよ。

「でも本当に年をとらないのね。10年前から全然かわらない。」

興味深そうに顔を見てくるサラから思わず顔を背けてしまう。

そう、僕は年を取らない。
それは僕だけじゃない。

シキさんやシュナくん、ナツくんたちもそうだ。

もちろんキッドも。

僕は少し違うけれど、
ダーク・ホームの彼らやキッドは元々、神の子ルナとの契約で不老となっていたが、
ルナが消えればその契約も解消される筈だった。

しかし、なぜだか分からないが契約は今でも続いていて。

もしかしたら何処かで、ルナの力が残っているのかもしれない。

一方サラは、10年前の"終焉の日"に体は元の子供の姿に戻っていた。

だが悪魔と、ダーク・ホームと関わりすぎたせいか、
記憶だけはハッキリと残っていたのだ。

この事は僕にしか話していないようだが。

「それで、どうしてここにいるの?賢人様。」

「その呼ばれ方・・・・キライ。」

ちなみに、不老の僕たちを人々は"賢人"と呼んでいた。

僕はこの呼ばれ方が本当に嫌なんだ。

「ふふっ、冗談よ!ただウィキがここにいるのが珍しいなと思っただけ。」

そう、珍しい。

今までここは避けてきた場所だから。

リオナとの思い出が強すぎて・・・・

自分でも分からない。

今日、なぜここに来たのか。

「・・・ところでサラこそどうしたの?」

サラももう今年で22歳。
その姿はかつての元気少女とは打って変わり、
美しさに満ち溢れていて。

「ちょっとウィキに報告を、ね。」

「報告?」

「わたし、結婚するの。」

「え・・・・っ」

サラが、結婚?

確かにここ数年、サラは国を出たり戻ってきたりを繰り返していた。
お父さんが「男でもできたかぁ〜?」なんて言ってたものだから、ちょっとそうなのかなとは思っていたけれど・・・・まさか本当だったなんて。

喜びよりも驚きでいっぱいだ。

「相手は何年も・・・・いえ、十何年も前からの知り合いでね。最初はお互いなんとも思ってなかったんだけど・・・会う度に惹かれあっちゃったのよね。」

頬を赤らめていうサラを見て、久々に心があったかくなるのを感じた。

「だからね私、この国を出るのよ。」

「え・・・・どこに行っちゃうの?」

「彼の故郷のフラワーカウンティと言うところよ。とても素敵な所なの!」

フラワーカウンティか。

大陸を跨ぐとなると、
もう会えなくなる可能性が高い・・・・。

「そっか・・・・こうやってみんな、別々の道に行くんだね。」

少し寂しいけれど、なんだか胸があたたかい。

こういうのも悪くない。

「明日ダンさんとモナさんにも挨拶にいくね。それじゃあウィキ、あなたも早く帰るのよ!」

「うん。ありがとうサラ。」

サラはいつもの元気な笑顔を見せて、
軽い足取りで瓦礫の山を駆け下りて行った。

気がつけば辺りはすでに真っ暗になっていた。

空の星も輝きを増している。

風の音が心地いい。

このまま、空気に飲まれてしまえればどんなに気持ちがいいか。

「帰ろうかな・・・・」

ここにいると、やっぱり駄目だ。

マイナスな想いしか浮かばない。

僕は重たい腰を上げて立ち上がった。

と、その時だった。

目の前に、小さな光の玉が現れた。

突然のことに思わず尻餅をつく。

その玉はフワフワと宙を舞い、ゆっくりと下へ降りてゆく。

あれは一体・・・・

僕は再び立ち上がり、後を追うように瓦礫の山を下った。

そして光の玉に手を伸ばしたその時。

光の玉が弾けて光が溢れ出した。

思わず手で顔を覆いたくなるくらいの眩しさだ。

「・・・・っ」

一体何が起きて・・・

顔を覆っていた腕を下ろし、ゆっくりと目を開ける。

「な・・・・」

嘘だ・・・うそだ・・・・っ

目を開けた瞬間、信じられないものが目の前にあった。

いや、"あった"じゃない・・・・"いた"だ。

「り・・・・おな・・・・?」

声が震える。

地面には横たわったリオナが・・・・いた

なんで・・・・どうして・・・・・・・・

これは、夢・・・・?

僕の願望?

僕はゆっくりリオナに手を伸ばす。

頬をなで、唇に触れる。

・・・・息、してる

生きてる・・・リオナが・・・・リオナが生きてる・・・・!!!!!

「リオナ・・・・リオナぁぁあああ!!!!」

涙がボロボロと零れ落ちる。

リオナを抱き締め、泣き叫んだ。

まだ目を覚まさないけど、リオナが生きている。

腕の中にいる。

"終焉の日"から10年目、
初めて、声を出して涙を流した。






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