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【完結】 Novel〜Lord's Soul〜
story165 死と愛、生と愛(※18禁※苦手な方は次話へ)
頭がぼんやりする。

眠っているのか、起きているのか分からないくらい。

身体中が熱い。

燃えて無くなるんじゃないかと思うくらい、熱い。

誰かの吐息が聞こえる。

熱い熱い吐息が。

ここはどこで、自分は何者なのか。

分からなくなるくらい、思考が停止している。

このまま深い深い眠りに落ちるのも悪くない。
むしろ、目を覚まさない方が良いのかもしれない。

"リオナ・・・こっちを見て"

誰・・・・?

"ああ・・・その目だ。その目だよリオナ"

マーシャ・・・?

"ははっ・・・何を寝ぼけたことを。よく見て、感じなよ。君のカラダを、魂を、ココロを穢しているのは・・・・"

突然、身体がビクンと跳ね上がる。

痛みが全身に広がる。

意識が、現実に引き戻される。

「あは・・・ようやく目が覚めた?」

その声、その顔に、言葉が出なかった。

「ぁ・・・ぁあ・・・・っ、ぁあああああああ!!!!!!」

悲鳴しか出ない。

体が全く動かない。

それは両手両足を鎖で繋がれているから。

真っ白な広い部屋の真ん中で、仰向けのまま縛られて。

怖い・・・・怖い怖い怖い怖い

恐怖で、思考が上手く働かない。

逃げられないと分かっていても、無駄に手足をバタつかせてしまう。

「暴れても無駄だってば、リオナ。ははっ、本当に可愛いなぁ。」

リオナに跨がり、目を細めて笑う青年。

フェイターのトップ、アシュールだ。

あれからリオナはフェイターによって光妖大帝国に連れてこられた。

更夜が殺されてからの記憶が全くない。

「・・・やだ、離せ・・・・!!!!」

ガチャガチャと音を鳴らして暴れる。

そんなリオナをアシュールは楽しげに見つめていた。

「何を言ってるの今更。何が嫌なの?」

「・・・やだ、ヤダヤダヤダ・・・・!!!!!!!!」

「こんなに愛し合っているのに?今更何が嫌なのリオナ。」

不敵に笑うアシュールをよく見れば服が乱れ、額には細かい汗を浮かべている。

そのアシュールの手がリオナの頬を撫で、首筋を伝い、胸で止まる。

その瞬間、リオナの体がビクンと跳ねた。

よく見れば、リオナはほぼ服を脱がされ、全身に汗を浮かべていて。

身体中が酷く熱い。

アシュールの指先が触れるだけで、熱を孕む。

一体・・・・何が、

「な、何を・・・っ、何をして・・・・」

声が震える。

想像したくない。
聞きたくない。

「ん・・・・?何って・・・?」

アシュールの唇がリオナの胸に落とされる。

ちゅっ、とキスしては唇を離す。

そのままアシュールの手がどんどんどんどん、下へ下へと滑り落ちてゆく。

嫌だ・・・・嫌だ嫌だっ・・・

「セックスだよ、リオナ。」

「・・・・っいや!!!!!いやだ・・・ぁあ!!!!」

アシュールの指が、リオナの奥を突く。
その瞬間、リオナの内腿を何かが流れ落ちてゆくのを感じた。

リオナが眠る間にアシュールが吐き出した欲望が、ドロドロと流れ落ちてくる。

「さぁ、続きをしよう。リオナ。」

「やだぁぁぁぁ・・・・!!!!!!ヤダヤダ!!!!・・・ぁぁぁあああ!!!!!!!」

「ああ・・・・その顔だよリオナ。恐怖と絶望の中で、強制的に与えられる快楽に溺れてゆくその顔・・・たまらない!!!」

「ぁあッ・・!!!!!ァッアッア!!!!!イヤッ・・!!!!」

再びアシュールの欲望を突き立てられる。

奥に奥に、激しく、強く。

「マーシャぁぁ・・・・!!!!やだ!!!マーシャぁぁぁあ!!!!ぁあっんっン・・・!!!!」

「はははは!!!!あー・・・残念だねリオナ。マーシャは助けには来てくれない。それにこんな穢れた君なんて見たくもないだろうね!!!ほらっもっと腰振りなよ!!!ほら!!!」

「やっ!!!いやぁ・・・!!!ァアア!!!!!」

「気持ちいいよリオナ・・・・!!!ほらっ、壊れていいよ!!!ココロは元には戻らないけど、カラダなら何度でも生き返らせてあげるから、ね!!」

そう言って、アシュールは再び欲望を吐き出す。

それと同時に、リオナの胸にナイフを突き立てた。

リオナの胸から、口から、血が吹き出す。

「ぁ・・・・ぁ、あ・・・・ま、・・・・しゃ・・・・」

血を吐きながら、涙を流す。
苦しさと、快楽と、痛みが絶頂に達する。

「あはっ!可愛いよリオナ!最高だ!」

カラダを痙攣させて動かなくなったリオナに、アシュールは深い深いキスをする。

「さぁ・・・もう一度生き返らせてあげるね。もう一回シよう。リオナは覚えてないかもしれないけど、最初は両腕を切り刻んで、次は両足、その次は頭を、今は胸にナイフを刺したから、今度は首にぶっ刺してあげる。もちろん、身体中気持ちよくしてあげるからね。」

息すらしていないリオナを、再び蘇らせる。

再び、リオナの喉から悲鳴が上がる。

苦しみの声。
悲しみの声。
快楽の声。
痛みの声。

何度も、何度も何度も何度も何度も繰り返される。

アシュールの気がすむまで。

リオナのココロが完全に壊れるまで。

「これで、最後だよ・・・・リオナ。愛してる。リオナの全てを愛してるよ。さぁ・・・イッて!!!」

最後は、リオナの下腹にナイフを突き立てた。

リオナの血に混ざり、中に何度も何度も吐き出されたアシュールの欲望も流れ出す。

最後はリオナは声すら上げなかった。

完全に、壊れてしまった。

ココロだけが。粉々に。


















アシュールは何もなかったかのごとく、リオナのカラダを再び蘇らせた。

この力は、ウィキを蘇らせたものと同じ。

長年研究してきた成果だ。

この為に、何度も何度も実験を繰り返してきた。

神として復活しても、死なないように。死んでも再び蘇るように。

「愛してるリオナ・・・・愛してる。」

そんなリオナとアシュールの二人きりの世界に、
ある人物が足を踏み入れた。

「・・・・アシュール、終わったか?」

「うん・・・もう大満足だよ。リオナ、なんて可愛いんだろう。」

うっとりとするアシュールをよそに、
カイはリオナに近づき、布を被せる。

リオナの"抜け殻"は無傷そのものだが、
アシュールの力で再生されなかったら原型すら留めていないだろう。

「さっさと神を復活させるぞアシュール。」

「ついに大好きなリオナと神が一緒になるんだね・・・ああ、とっても嬉しいよ。」

残りのフェイターも徐々に姿を現わし始める。

全員が揃うと、リオナを取り囲むように立ち並んだ。

カイはアシュールに全てのローズ・ソウルとローズ・スピリットを手渡した。

アシュールは柔らかい笑みを浮かべて、それを受け取る。

そして、全員が復活の呪文を唱え始めた。

アシュールの手から離れたローズ・ソウルは光を放ち、リオナを包み込む。

黄金の眩い光が、リオナに入ってゆく。

「ああ・・・・なんて美しいんだ。」

神が復活する。

ついにその時が来た。

大好きな神に再び会える喜びを噛みしめるアシュールに対して、カイは目を細める。

同時に、世界の時が戻り始める。

"仮時間"の終わりを告げる。

再び始まる、"神の世界"のはじまりを告げる。

「・・・・神は、必ず我が手に。」

まだ誰も気づいていない。

本当の闇に。
本当の悪に。
本当の善に。
本当の光に。

















そして神が、復活した。


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あきゅろす。
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