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【完結】 Novel〜Lord's Soul〜
★みんなのXmasA★
〜みんなのXmas6〜
その6:マーシャとリオナの場合

クリスマスは誰もが楽しみにしている一大イベント。

俺たちの敵である神とはまた別の神様の誕生日だとか。

だからダーク・ホームでもクリスマスを祝うことが許されている。

でも、俺にとってクリスマスは、
お祝い事だけではない。

父さんや母さん、バルド、そしてウィキが亡くなった悲しみの日。

だけど、
昔マーシャと約束したんだ。

クリスマスは楽しもうって。

それが父さんや母さんの望んでることだってマーシャが言ってた。

だから、
朝起きたらまずお祈りをして、
その後は楽しむって決めたんだ。





「リオナ、どうだ親父たちはなんて言ってた」

クリスマスの早朝、
ダーク・ホームの墓地にある"祈りの木"の下で祈りを捧げていると、
後ろからマーシャの柔らかい声が聞こえてきた。

いつもはやる気の無い力の抜けた声だが、
今日はなんだか違う気がする。

芯があるというかなんというか。

「・・・今年も声は聞こえなかった。本当に聞こえるものなの?」

「俺には毎年聞こえてる。"おっきくなったなぁ〜リオナ!楽しんでこいよ!"ってね。」

「・・・ホントかなぁ。」

「本当だよ。信用ないなぁ俺」

そんなことを呟きながら、
マーシャも俺の横に並び、
一緒に祈りを捧げた。

「さぁーって、今年はどうする?なにしよっか。」

「・・・去年はなにしてたっけ」

「あー・・・去年は」

マーシャが少しどもる。

ああ、
確か去年はムジカもルナもジークもいて、皆で一緒に楽しんでた。

あの頃は楽しかったのに、な。

「リオナは俺だけじゃ不満か」

その時、
少しため息混じりのマーシャの声が聞こえ、慌てて首を横に振った。

「そんなことない・・・!マーシャだけで十分だよ。マーシャがいなかったら俺・・・・もっと悲しい」

「嬉しいなぁ、リオナくんがそんな悲しそうな顔してくれるなんて。チューしていい?」

「ダメ」

「はっきり言うね。」

マーシャは大きく笑いながら、
俺をぎゅっと抱きしめた。

「じゃあさ、何したい?」

「・・・・恥ずかしいから抱きしめないで」

「ヤダ。これくらい許してよ。」

マーシャの笑顔を見てしまえば、
ダメとは言えない。

「で、なにする?」

「・・・・マーシャはなにしたい?」

「俺?」

「そう」

「うーん、リオナがしたいこと」

「・・・・いつもそう言ってる。ダメ。」

「えー、だって俺の中じゃどんなことよりもリオナが1番だからそれ以外考えられねぇ。」

「なにそれ・・・意味わからない。クリスマスだよ?俺ばっかりじゃなくて恋人探しにでも行ったら?」

冗談で言ったつもりなのに、
一瞬で空気が凍りつく。

マーシャの表情に翳りが見えた。

「はぁ、俺がお前を1番愛してるの知っててそーゆーこと言う?冗談でも怒るぞ。」

「・・・マーシャ怖い。」

「それほど本気ってこと。わかった?二度とそんなこと言うな。」

「・・・・はーい」

冗談なのに、な。

そんなに怒らなくたっていいのに。

わざとふくれっ面をしていると、
マーシャがクスクス笑った。

「そんな顔するなよ。あ、そーだ。俺行きたい所があるんだけど。付き合ってくれますか?王子様」

そう言って膝をつくと俺の手にキスを落とした。

ニヤッと笑う顔がなんともいやらしい。

でも本当は嬉しいんだ。

だってマーシャが珍しく自分からやりたいことを言ってくれたのだから。

「・・・楽しませてよね。」

「そうこなくっちゃ。」





マーシャの行きたい所はダーク・ホームの外、ノースアイランドにあるらしい。

ノースアイランド出身とはいえ、
さすがにこの寒さは少しだけ辛いものがある。

「リオナ寒い?」

空に向かって真っ白い息を吐き出していると、
マーシャが覗き込んできた。

相変わらず、
整った顔をしてるなぁ、としみじみ思う。

昔は気にならなかったのに、
最近じゃマーシャの顔をジッと見れない。

色々と意識してしまっている証拠だ。

「・・・大丈夫。寒いのは嫌いじゃない。」

「寒かったら言って。俺が抱きしめてあげるから。って聞いてるか?」

「・・・・聞いてない。」

「照れちゃって。かわいーの」

手を引かれながら、
マーシャの一歩後ろを歩く。

今は雪は降っていないが、
地面は雪が常に蓄積されている状態だ。

どれくらい積もってて、
どこに穴があるかわからない。

だからマーシャは先頭を歩くのだろう。

変態のくせに根は紳士だから困る。

するとその時、

「うわっ!」

「・・・・!?マーシャ!」

目の前を歩いていたマーシャが消えた。

いや、消えたのではなく、
地面の雪に埋もれていた。

溶けかかっている所にハマったのだろう。

「くっそ〜。寒いっ。」

なんだか可笑しくって、
思わず声をあげて笑ってしまった。

「あ、リオナ笑うなよ〜。」

「ははっ!だって!ふふっあははは・・!」

堪えても堪えても笑いが込み上げてくる。

だがその瞬間、
マーシャの手が伸びてきて、
思い切り手を引かれた。

「ちょ・・・・あああ!!」

「へへっ、笑った仕返しだ。」

案の定、
俺も雪に埋れてしまったではないか。

というか、
地面にこんなに積もっていたとは。

大人でも深いと感じるのだから、
子供だったら危ないどころでは無い。

「・・・なにが仕返しだよぉ。ただの嫌がらせじゃないか。」

「笑うから悪い。」

「・・・・寒い。」

「それは"抱きしめて"ってことか?」

「・・・はやく引き上げろってことだ。」

「俺も埋まってるから無理。」

役立たずめ。

と心で罵声を浴びせながら、
俺は必死に身をよじらせる。

しかし、穴から出られず、
むしろ穴が広がってしまい出にくくなった。

「・・・なにこれ。全然出れないじゃん!」

「ほんとだ。あはは」

「・・・あははじゃない!もう・・・」

こんなことで魔法を使いたくなかったが・・・・仕方ない。

一枚トランプを取り出し、
炎を生み出す

その炎で雪を溶かしていき、
なだらかな坂道を作った。

「さっすがリオナ。」

マーシャは相変わらず呑気に口笛を吹きながら雪から脱出した。

まったく・・・・

「あ、リオナあれ見ろよ」

すると今度は、
俺の手を無理矢理引いて、突然走り出した。

「・・・・マーシャ危ないよ!また落ちたら」

「ほら!虹だ!」

「へ・・・・あ、ほんとだ!」

雲の隙間から光が漏れ、
そこから七色の光も溢れ出している。

その光景はとても美しく、
いつまでも見ていたいくらいだ。

「リオナ、綺麗だろ。」

「・・・・うん。すごく綺麗だ。」

「欲しい?」

「・・くれるの?」

「リオナが欲しいなら、魔法でちょちょいとね。」

こんな景色が毎日見られたらどんなに幸せだろう。

だけど・・・・

「・・いらない。」

手に入れてしまったら、
なんの価値もなくなってしまう。

それに、俺が独り占めしたら、
みんなが見れなくなるから・・・・

「そっか。リオナならそう言うと思った。」

マーシャは柔らかい笑みを浮かべると、
俺の頭をくしゃくしゃっと撫でた。

それが何よりも嬉しくて。

雪なんて気にしないで、
2人で寝そべった。

こんな綺麗な空の下で、
マーシャとのんびり過ごせることが何よりも幸せだ。

「今日はここでゆっくりしよう。」

「・・・・え、マーシャが行きたかった場所は?」

「実は行きたいとこなんて無かったんだよね。」

「・・・・えー」

「リオナと一緒だったらどこでも楽しいし。」

「・・なにそれ。意味わかんない・・・・」

恥ずかしくて思わずマーシャに背中を向けてしまった。

やだな、嬉しい・・・

顔赤いかな。

その時、
マーシャが俺の身体をそっと抱き寄せてきた。

優しいけど、少し強引に身体を反転され、向かい合わせにさせられた。

ジッと瞳を見つめれば、
マーシャの黄色い瞳に俺が映ってて。

このまま、
閉じ込めていてくれればいいのにと思ってしまう。

そんなことを想いながら、
ゆっくり近づいてくるマーシャの唇に目が行く。

唇と唇が重なり合う。

くっついては離れてを繰り返し、
雪をとかしてしまうのではと思ってしまうくらい身体中の熱が上がっていく。

長いキスが終わると、
耳元でマーシャが囁いた。

「ずっと一緒だからなリオナ・・・・年とっても、死んでも、生まれ変わっても、ずっと一緒だ。」

マーシャの愛は、いつだって大きい。

でもそんなマーシャを、
いつだって俺は欲しがっている。

早く。

早く、もっと、奪って。

マーシャだけのものにして、と。

「・・・一緒にいよ。約束」

小指を出せば、
マーシャも小指を絡めてきて、
そこにキスを落とした。

俺も笑ってキスをする。

ああ、幸せだな・・・・

こんな贅沢、
罰が当たりそうだ。

でも、
どうか奪わないで・・・・

マーシャだけは、
俺の、
命よりも大切な人なんだ。












日も暮れ、
月が見え始めた頃。

ようやくダーク・ホームに戻った。

今夜はダーク・ホームでは盛大なクリスマスダンスパーティが開かれている。


普段忙しいメイドや、
戦闘に勤しむエージェントたちも今夜はみな正装で、
ダンスパーティを楽しんでいるようだ。

マーシャと俺は興味が無いから、
さっさと部屋に戻ることにした。

「今夜はリオナとたーっぷり愛し合えるからなぁ。なぁ〜にしようかな。」

いやらしく笑うマーシャの頬を思い切り引っ張りあげる。

「・・・今夜は仕事があるだろ。」

「あー、サンタか」

今年はサンタになってクロードとクラッピーの枕元にプレゼントを置くという重大な仕事があるのだ。

「・・・・クロードとクラッピー楽しみにしてたでしょ。」

「まだサンタなんて信じてるのか。」

「・・・そーゆー言い方しない。マーシャの楽しみは・・・・・・・・そのあと、ね。」

「っ!!やっべ・・・・興奮してきた・・・」

そう言ってマーシャは俺の首筋に顔をうずめてきた。

「ぁっちょ・・・・マーシャ!」

強く吸われ、
キスマークを付けられる。

口を離し、
ニヤリと笑ったマーシャに、
俺は顔を真っ赤にさせて引っ叩いた。

「痛っ!ヒドくね?!」

「ひ、ひどいのはどっちだ・・・!!バカ!変態!」

「リオナが悪いだろ!あんな煽り方して!」

「・・・・勝手に興奮したのはそっちじゃん!」

「たかがキスマークの1つくらいで怒るなよ!すーぐ手が出るよなぁお前は!縛り付けてやろうか!え?!」

「・・・・たかがキスマークだって!?クロードに見られたらどう説明するんだ!」

「ぁあ!?俺の愛の証だっていやぁいいだろうが!」

「・・・だからって今ここでキスマークを付ける必要あった!?」

「あぁ!あったよ!じゃなきゃ今頃キスマークどころじゃなくなってた!」

「・・・・はぁぁ?!少しはガマンして!」

「やだね!俺は男だ!キスだってしたいし本当は今すぐセッ・・・・」

マーシャがいけないことを叫びそうになった瞬間、

「そこまで!」

俺たちの間に第三者が割って入ってきた。

もちろんその第三者とは

「・・・・シキ」
「んだよ、お前かよ。邪魔すんな!」

シキはいつものように深いため息をつく。

「あのな・・・・一応ここも公共の場なんだが。卑猥な言葉を大声で連呼するな馬鹿たれども。」

「だってリオナが!」
「だってマーシャが!」

「ぁぁあうるさい!ほら、みんな待ってるんだから早く来い!」

みんな・・・・?

みんなって誰だ?

俺はマーシャに尋ねようとしたが、
マーシャはふんっ、と顔を背けて先に部屋に向かってしまった。

なんてヤツだ!

俺が悪かったのか!?

「リオナ、気にするな。マーシャはガキだから。」

シキは苦笑を浮かべて俺の頭を撫でた。

「・・俺悪くないもん・・・・。・・・・悪く、ないよね?」

ちょっと強く言いすぎた気はする。

俺が悪かった・・・・かもしれない。

「よくはわからないが・・・・どうせマーシャがやらしいことをしたんだろ。そのキスマークとか。」

そう言ってニヤッと笑うシキに、
俺は慌てて首筋を押さえた。

だから嫌だったんだ・・・・!

「・・・そ、そんなに目立つ?」

「まぁ・・・な。だからお前が怒るのは当然だ。マーシャが悪い。」

「・・・もう、どうしよこれ」

「リオナは襟足長いからうまく隠れるんじゃないか。」

そう言ってシキは俺の髪をいじって、
なんとかキスマークを隠してくれた。

マーシャもシキくらい常識があればいいのに・・・・

「・・・・シキ、ありがとう。」

「ああ。ま、気を落とすな。マーシャなんて放っておけばそのうち・・・・」

噂をすればなんとやらで。

そんな話をしていると、
張本人が戻ってきたのだ。

でもまだ不機嫌そう。

「リオナ、早く行くぞ。」

まるでオモチャを奪われてご機嫌ナナメな子供のようだ。

そんなマーシャに、
シキは小さく笑った。

「ほう・・・お早いお迎えだな。」

「うっせぇ。シキでもリオナにベタベタ触るのは許さない。」

「お前な・・・・・・・・まぁいい。早く行こう。本当にみんな待ってるから。」

そう言ってシキは先に俺たちの部屋に向かって行った。

なんで、俺たちの部屋?

そんなことを考えていると、
マーシャが無理矢理俺の手を引いて歩き出した。

「・・・・マーシャ」

「ごめんリオナ。」

「・・・俺も、ごめんね。」

マーシャからの返事は無かったが、
手を優しくギュッと握り返してきて。

それだけで十分だった。

部屋の前までくると、
マーシャがドアノブを俺に掴ませた。

「・・・・?」

「開けてみな」

そう言われて、
ゆっくり扉を開いた。

その時、

『メリークリスマース!!!』

クラッカーの音と同時に、
多くの仲間の姿が目に入った。

シュナ、シキ、クロード、クラッピー、ラード、ユリス。

彼らだけじゃない。

ナツとビットウィックスもいた。

驚きで、心臓が止まるかと思った・・・・

「・・・・なんで・・・・みんな」

本当に、嬉しかった。

すごく、すごく・・・・


「リオナと一緒にクリスマスを祝いたかったからに決まってるでしょ!」

そう言ってシュナが俺の手を引いた。

「ナツも来てくれたしね!」

[お・・・・俺は仕方なく、だ!]

「あらやだ、この子照れ屋なの?」

ユリスの言葉にナツは顔を真っ赤にさせて否定していた。

「それにしても、悪魔がクリスマスを祝うなんて可笑しいね。」

「おいビットウィックス!お前がなんでここにいんだよ!お前はマスターとしてダンスパーティに行くべきだろ!」

「そう言うラードはなぜ行かないんだい?」

「俺は身内でやる方が好きなんだよ!」

「私もだよ。だからここにいる。」

どんな理由でも、
嬉しい・・・・みんな、一緒なんだから。

「マーシャ・・・・」

俺は、後ろにいたマーシャの手を掴み、
振り返った。

「・・・・マーシャが、皆を集めてくれたの?」

俺が寂しいって顔してたから?

マーシャには・・・・全部お見通しだったの?

するとマーシャは目を逸らし、
少し顔を赤らめて、こう言った。

「リオナの・・・・笑った顔が見たかったから。」

涙が、こみ上げそうになる。

マーシャは、
なんだかんだいつも俺の事をちゃんと考えてくれているんだ。

なのに俺は・・・・

「リオナ?!なんで泣くんだよ!?」

泣いていたなんて気がつかなかった。

気が付けばマーシャがしっかり抱きしめてくれてて、
俺もマーシャにしがみついた。

「・・・・ごめ・・・マー、シャ」

「泣くなよ・・・・悲しくなる」

「やだ・・・・悲しく、ならな、いで・・・俺、嬉しいんだから・・・・」

「本当に・・・・?」

「すごく嬉しい・・・・マーシャ・・・・大好きっ・・・・さっき、ごめんね・・・」

「さっきのは俺が悪かった。ごめんな・・・・だから、笑ってよ。泣かないで・・・・」

マーシャの不安そうな声が降り注ぐ。

だから、俺はグッと涙を堪えて顔を上げ、
気持ちのままに笑った。

そうすればマーシャも笑ってくれて。

もう一度、強く抱きしめてくれた。

「うおぉぉい!!お前らいちゃついてんじゃねーよ!」

「ラード、あんた邪魔しないのっ!せっかくのラブシーンなんだから。」

「ユリス・・・・子供の前だぞ。」

「クラッピー、ラブシーンてなぁに?」

「何だッチョねぇ?ナッツンはわかるッチョか?」

[俺にふるな!]

「ちょ・・・・ナツ子供に向かって叫んじゃだめだよ!」

「そんなにラブシーンが知りたいのかい?では私が教えてあげよう。ラブシーンというのはね、」

「マスターもやめてくださいよぉぉ・・・!」

ギャーギャーと騒ぐ仲間たちに、
リオナとマーシャは声を上げて笑った。

この瞬間が、幸せだ。

皆と過ごせるこの喜びを、
忘れたくない。

「でもね・・・・マーシャ」

俺は背伸びをして、
マーシャの耳に口を近づけ囁いた。

「・・・・俺、マーシャと2人でも、寂しくないよ?マーシャがいてくれるだけで、俺は十分幸せだよ。」

他愛ない会話とか、ゆったりとすぎる時間とか、喜び怒り悲しみ笑い、すべて・・・・マーシャだから共有できるし、生まれるんだ。

「・・・マーシャとも、皆とも過ごせて、俺、幸せ過ぎて死んじゃいそうだ。」

「リオナ・・・・」

今にも泣き出しそいな顔で、
ギュッとマーシャに抱きしめられた。

また周りがはやしたて始めて恥ずかしいけど、
今だけは、マーシャの想いをすべて受け止めていたい。

そう思ったんだ。







きっと、罰が当たる。

俺だけが・・・・幸せになって。

でも、覚悟はできてるよ。

どんな罰を受けても構わない。

だからそれまで、
どうか大切な人と一緒に・・・・


おわり


〜みんなのXmas7〜
ラスト:リオナとマーシャとクラッピーとクロードの場合


クロードとクラッピーの部屋にて。

マーシャ「ったく。汚ぇ部屋だな。」

リオナ「シーッ・・・・!!起きちゃうだろ」

マ「ソウデシタ。」

リ「・・・うわっ!」

マ「おっと!大丈夫かリオナ」

リ「・・・・オモチャにつまづいた。マーシャ、支えてくれてありがとう。あとで片付けろって言わないと・・・・」

マ「だから言ったろ。で、枕元にプレゼント置けばいいんだっけ。」

リ「・・・ねぇみて。2人とも寝顔可愛いね。人形みたい。」

マ「クロードはともかく、このピエロに関しては普段からこれくらい静かだったらなぁ。」

リ「そうだね。」

マ「おい、なんか靴下ぶら下がってるけど。なんだよ洗濯物か?洗うもの朝出せって言ったじゃねぇか。」

リ「・・・・あのさ、もしかしてクリスマスに飾る靴下のつもりなんじゃないかな」

マ「は?じゃあこの小汚ぇ靴下の中にプレゼント入れろってこと?」

リ「・・・・そうみたい」

マ「まぁ・・こいつらがそれでいいならかまわんけど。俺だったらお断りだね。」

リ「えっと・・・・クロードにはこの絵本と車のおもちゃと積み木とブタのぬいぐるみだよね。」

マ「わぁお、すごい量。つーか俺ら絵本しか買ってないよな?他は誰からのだよ。」

リ「・・・積み木がシキとシュナからで車のおもちゃがユリス。この車のおもちゃすごいらしいよ。高級メーカーのオーダーメイドでちゃんとクロードの名前入りだって。あ、ブタのぬいぐるみはラードから。」

マ「ラードの奴センスねぇな・・・・で、ピエロには?」

リ「・・・・俺たちは髪留めとお菓子で、皆からも大量のお菓子。」

マ「まぁ無難なこった。」

リ「・・・・全部靴下に入るかな?」

マ「入んねぇよ。」

リ「・・・・!!やばい、クラッピーが起きる!」

マ「な・・・・なに!?どうする!?」

リ「とりあえず・・・・着替えさせて!」

マ「え、リオナを裸にしろってこと?まかせろ。」

リ「違うって・・・・サンタに変装!マーシャ変身魔法得意でしょ!」

マ「あ、なるほどね。わかった。いくぞぉぉ」

リ「・・・・!すごい!マーシャちゃんとヒゲ生えててサンタみたい!」

マ「リオナは猫耳生えてて今すぐ押し倒したくなっちゃうくらい可愛い。」

リ「は!?なんで猫なんだよ!」

マ「今日のプレイ願望。」

リ「ばか!せめてトナカイに・・・・」

クラッピー「・・・・あれ?誰だッチョ?」

リ「・・・・!!」

クラ「あ!もしかしてさんたさん!?」

マ「ほーほーほーぅ!メリークリスマース!」

クラ「ほ・・・・本物だッチョかぁぁ!?うわぁぁぁ嬉しいッチョォォオ!」

マ「わっ、コラ抱きつくなよバカピエロ!」

クラ「ん?なんかマーシャみたいだッチョね、このさんたさん。」

マ「まっ・・・・さかぁ〜!あははは!イイコイイコきみイイコダネー!」

リ「・・・・キモ」

マ「・・・・黙れ」

クラ「あ!クロノスも起こさなきゃ!」

リ「お・・・・起こさないで!だってほら!寝てるの起こしたら可哀想だよ!なによりも!」

クラ「うーん・・・・そうだッチョね!あれ?ネコさん?誰?」

リ「えっと・・・・」

マ「俺のペット(ニヤリ)」

リ「・・・・」

クラ「そうだったッチョか。あ!そうだ煙突よくわかったッチョね!さすがさんたさんだッチョ♪」

マ「は?煙突?」

クラ「さんたさんは煙突からくるッチョ。ここには煙突がないから窓に煙突って書いた紙貼っといたの見えたッチョね!」

マ「あ、ああ・・・・まーな。」

クラ「ねっねっ!来年も来てくれるッチョか!?クロノスが楽しみにしてるッチョ!」

マ「イイコにしてたらな。」

クラ「大丈夫ッチョ!クロノスは良いコだッチョ!」

マ「知ってるよ。お前も良い子になれよ。あ、部屋は明日片せ。」

クラ「まかせるッチョ!」

マ「じゃあ俺たちプレゼント置いたし帰るわ。プレゼント開けるのは明日の朝だからな。もう寝なさい。」

クラ「りょーかいッチョ!おやすみッチョ!」

マ「はいよ、おやすみ。」

クラ「あれれ、さんたさん、出口はそこじゃないッチョ。コッチだッチョ。」

マ「ぁあ?そっちは窓だろ。ドアはコッチ。」

クラ「だってさんたさんは煙突から帰るッチョよ?煙突はこの窓ッチョ。」

マ「・・・・!! ・・・・お、おいリオナ、どうする!?ここ何階だと思ってる!」

リ「・・・・17階」

マ「死ぬだろ・・・・!!どうする!?」

リ「行くしかないよ・・・・マーシャ、今までありがとう。頑張れよ。」

マ「・・・・おいコラちょっとまて!お前も一緒に、だ!」

リ「・・・・やだ。」

マ「・・・俺もやだよ!」

リ「あっ!ちょっと押すなよ!」

マ「お前は偉大な魔法使いサマだろ!」

リ「・・・・そーゆー時だけそう言って!都合良くない!?」

マ「大丈夫、お前がどんな姿になったって俺がたっぷり愛してやるから!」

リ「全然大丈夫じゃ・・・・っぁあ!お、ちるっ!押すなよ!」

マ「俺じゃねぇ!このバカピエロ押すな!」

クラ「2人ともケンカはよくないッチョ。仲良く帰るッチョ!えいっ!」

マ「・・・・!!落ち・・・・!」
リ「や・・・・・・・・だああぁぁぁぁぁ」


クラ「ふぅ。2人とも抱き合って帰るなんて仲良しだッチョね〜!でも、下に落ちてったけど、さんたさんは空を飛べないッチョ?まぁいっか!」













シキ「・・・・で、お前ら2人して全身打撲の両足骨折とは。一体どんなプレイをしてたんだ。」

リ「違う!・・・・マーシャのせいだ!」
マ「違う!リオナのせいだ!」

リ「・・・・はぁ!?マーシャが押したから落ちたんじゃないか!」

マ「しゃーねぇだろ!もとはといえばリオナがサンタなんかやらせるから悪い!」

リ「なんでそうなるんだよ!だったらマーシャが猫耳で俺をサンタにすれば良かったじゃないか!」

マ「ぁあ!?そもそもお前が」

シキ「あーもう・・・・いい加減にしろ!いつも任務じゃ空飛んで走り回ってるくせに、これくらいの高さの着地くらいなんてことないだろ。魔法使いのくせに。」

マ「あ、今魔法使いのことバカにしやがった。」

リ「・・・・シキひどい。」

マ「着地くらいだってよリオナ。アイツも俺たちの部屋から落としてやろうか。」

リ「それじゃあダメだよ。屋上くらいシキなら楽勝だって。」

シキ「お前ら・・・・その団結力はなんなんだよ。」

マ「愛だよ、愛。ねー」

リ「ねー」

シキ「もう知らん・・・・」

おわり


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あきゅろす。
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