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カノン×メアエリス お祭り編
まるで犬の散歩だ。
余りにもウロチョロするもので、メアエリスの髪の毛を引っ張って止める。

「んにっ。痛いよう!」

「おい、はしゃぎ過ぎだ。そろそろ戻るぞ。」

「ヤ!…もっと見たい。」

「春臣師匠を待たせる訳にいかないんだよ。」

また、春臣だ。
おじさんが来てからはいつも何時も彼が最優先。
出会った頃から優先的に選ばれるのはメアエリスではなく、他のモノやヒトだった。
いくら馬鹿で子供でも、不満を抱く。

「…春臣………また、春臣って。」

「メア?」

「…おじさんせんせーって、凄いね。……先に行ってる。」

そう言うと、突風が木々を、屋台の暖簾を騒がせた。
目の前のメアエリスが消えている。

「……メア?」

突然の事過ぎて状況を把握できないまま、みんなの場所へと戻った。
すると、何事もなかったように、メアエリスは海璽の膝の上で楽しそうに談笑をしている。
記憶を辿ったが、ついさっきの事についての答えはなかった。

「おせーぞ!待ちきれなくて先に飲んじまったぜw」

「あ…あぁ。」

「ボサッとしてんじゃねぇw…お。海(かい)、注げ。」

「はい。メアエリス、ちょっと失礼しますね。」

「イヤ。…カノンがやるのっ。」

「…俺?別にいいが………。」

馴れないお酌をした。
メアエリスの中ではカノンが春臣に恋してるという設定、これでいいんだと喜ぶ。
更に彼が喜ぶように仕向けたり。

「ねぇおじさん。おじさんもファノルアカシックになろー?」

「確かに…ファノルアカシックにはおっさんとか海璽さんみたいな大人も必要だと思うよ。賛成です。」

「悪い話ではないわねん。カノンちゃん達で既に話し合いしてたみたいだしぃー。」

「だと。春臣師匠、海璽、よろしく。」

「ええw」

「ひよっ子共が…w今日は潰れるまで飲もうじゃねーかw」

何で海璽まで?
読み違いの展開だ。
メアエリスは海璽の長い髪の毛を引っ張った。

「痛っ…メアエリス、止めなさい。コラッ。」

「メア!」

「やぁ!離してようっ。……やっ。」

取り押さえて顎の下を指で撫でる。
猫とヒトを勘違いしているみたいに見えるが、これで簡単におとなしくなった。

「おい、エロ猫。ついて来い。」

「…はひ……。」

「猫は【にゃん】…だろ?」

「に…にゃあぁん…。」

一同、同じ事を思っただろう。
エロ可愛い。
猫は飼い主の後を忠実に付いて行った。

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あきゅろす。
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