餌付けの効果はデカイ 一通り落ち着きまして…。 何やかんやで家族が増えた。 キッチンには海璽が立ち、窓辺に春臣が座ってキセルを吹かす。 床に寝転がってファッション雑誌を見ているタレイア、椅子で眠たそうにしているメアエリス、その他は仕事中だ。 「おっさん、ちゃんと窓開けて吸ってよぉ!超煙いしぃ。」 「そーカッカしてりゃ小ジワが増えんぜ。」 「増えないっつぅの!」 「若い女性をからかって楽しいですか?」 「餓鬼に妬いてんじゃねーよw」 立ち上がってキッチンへ。 洗い物をする彼に煙を吹き掛けた。 それにビクっとする。 「止めなさいっ/////」 「これだからおっさんは…。メアちゃんは死んでもあんなおっさんになんかなっちゃ駄目よぉ?」 「……にゅ?」 「かぁわいいぃぃw」 「メアエリスを見ていると、母性本能がくすぐられますねw」 「だよねだよね!w」 「くだらねぇ。…ちょっくら若造共の様子でも見に行くぞ、おチビ。」 「わっ、…僕も?」 「妬いてんのはどっちだかぁw」 図星にリアクションすることなく、メアエリスを片腕に抱いてエレベーターを下りた。 今日の依頼は猫探しだったか。 様子を見に行くまでもないけれど心配なのは事実だった。 もし我が子が居たらこんな感じなんだろうと、心安らぐ妄想をしてしまう。 探しつつのんびり散歩する。 途中でメアエリスが、屋台を指さし、虹色のグルグル渦巻いた塊が棒に刺さった物、ペロペロキャンディーに興味を示した。 もちろん餌付け的な理由で買ってやる。 「おじさんありがとー。」 「おう。…おチビは召喚士なんだってな。何を召喚すんだ?」 「んとねー、…ドラゴンさん。セイレーンとねースキュラはねー、本じゃないとだめなの。」 「やり方、おっさんに教えてくれや。」 「僕もよくわかんない。……今日ヒトいっぱい。」 店のドアや窓に派手な広告が貼られていた。 どれにも【フェスティバル】という文字が書いてある。 「祭りだとよ。」 「まつり?」 「祭りはおもしれぇぞw夜は特にな。みんなで行くかw」 「わーい♪」 意味は分かっていないが、春臣が余りにもテンションが高く、きっと楽しいのだろうと理解力。 彼は奮発して繁盛中の着物屋に寄って、男物4着、女物4着の人数分購入したそうな。 家に帰ると、無駄遣いだと海璽に怒られていたが、笑い飛ばしていた。 【前n】/【章n】/【次n】 |