これは趣味用です シアは自警団に戻り、ファノルアカシックはメアエリスを探しつつ、他の依頼を熟していた。 あの事件から、ふた月も時が過ぎている。 彼は今どこで何をしているのだろうかと、上の空なカノン。 ハードな依頼も少なくない為、気晴らしに四人は商店街に来ていた。 「お駄賃袋の重みがワタシの喜びに変わるぅ〜vV」 「ねぇ、タレイアは貧乏なカノンさんと金持ちなアサト…どっち取る?」 「お金よぉーっw」 「……俺は金より魅力ないんだな…。」 「…。昨日さ、アサトがギャンブルで勝ちまくったらしいよ。」 「んっふーんwア・サ・ト♪ギルド資金ギルド資金wきゃはーっvV」 「あんまはしゃいでっと、ヒトの迷惑になんぞ。」 脳天気な奴らだ。 一応笑っておいたが気分は乗らない。 タレイアは勢いでヒトにぶつかった。 相手はいかにも怪しい格好をしたこども。 謝りもせず、走り去って行ってしまった。 「何なのよ!」 「ん?あれ…アサト、リンゴは?」 「あ?…リンゴがねぇ!あんの野郎!」 「リンゴの一個ぐらいいいだろ……。」 「よくないわよ!」 「よくねぇよ!」 「「…。」」 それより、30センチ位の鎖が付いた手錠が気になって仕方がなかった。 ステルメークの物でなければアストレイランドの物でもない。 あの日シアに散々叱られたが、カノンは放って置けなかった。 皆と別れて黒いローブを探す。 途中でパン屋に寄り出来立てのパンを買って、それだけでは食が進まないだろうと、ミルクも買った。 「………何やってんだ…俺は……。」 阿呆らしい。 自分の馬鹿らしさに恥ずかしくなって、意地でも探し出してやると、変なプライドに火が着いてしまった。 確かに広い街だが目茶苦茶に広い訳ではないし、思いっきり地元な為に、庭を歩くように探し回った結果、見付ける。 建物と建物の間にあるゴミ捨て場のすぐ横で、シャリ…シャリ…とリンゴらしきものをかじっていた。 「……ヒトから盗むのは良くない。」 「…。」 「もう悪事はするなよ。」 「…。」 買った物を置いたが、手を付けない。 顔すら出さなかった。 皆に怪しまれるといけないので今日はこれで帰る。 次の日来ると、黒ずくめの前にパンとミルクを食した後があった。 カノンは通うようになる。 顔も声も知らない相手に…。 【前n】/【章n】/【次n】 |