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☆照れ臭いのは苦手
今日はこの町で一番大きい宿屋に泊まる。
初めて見る施設に戸惑った。

「先に入ってて〜。入国管理局で手続きして馬車の手配済ませて来るよ〜。ここに戻れるかどうかはわからないから〜。」

「あぁ。気を付けて。」

シアを見送って二人はそれぞれの部屋に向かった。
しかしミチルはずっとベルトを掴んでついて来る。

「……オマエの部屋は隣。」

「…ぁ……はい。」

「いや、【はい】じゃなくて………どうぞ、お姫様。」

ベットを見てようやく寝室と理解した。
いつも寝ているベットの半分のサイズに興味を示して座ってみるが、思っていた感覚と違って少々落ち込む。
カノンは両肩両足のガードを外して上着を脱いだ。

「どうした?」

「…。」

「…ウルタスが言っていたが、オマエ…初めて自分の意思で行動したんだろう?」

「はい…。」

「理由が聞きたい。」

戸惑いながら話した。
何年か前にセフィレイ大陸上部で大嵐があり、その時ミチルは気付いたら城下からグランゲール城に繋がっている橋の上に居た。
記憶が全く在らず、自分の名前の一部が【マルシャ】だとしかわからなかった。
嵐と一緒に来た彼を風の神の遣いだと迎え入れて、【ミチル】という名前をくれたボレアス王。
言い伝えが真であればミチルはとんでもない力を持っている。

「お父様は偉いから…逆らっちゃだめって……ずっと教えられてきました。自分の考えを持つことは罪だって…。」

「罪だと?…馬鹿馬鹿しい。」

「本当に罪でした。罰が当たったんですね。…これからどこで何をしていいのか……全然わかりません。」

「どうしよもないお姫様なんだな、オマエは。折角手に入れた自由…やりたい事は?」

「…………。」

笑いもしなければ泣きもしなく喋りもしない。
ヒトとしての楽しみ方を丸っきり分かっていなかった。

「本当にないのか?」

「…………ぁ……。」

「言え。俺が力になってやる。」

「……旅人のニチカさんに会いたいです。」

「わかった。探そう。後は?」

「後…ですか?…………いちごのけぇきと言うものがあるみたいなんですけど…知ってますか?」

「多分知らないのはオマエだけだ。帰ったら食わせてやる。…他。」

「え?……えっと………思い付きません。」

「今なら何でも聞いてやる。」

「……あの…/////」

「?」









「アナタの側に居させて欲しいです。………。」









「ぁ?…ああ。構わない。」

突然の告白。
プライドを考えたら不謹慎にもドキッとしてしまった。
…カノンは戸惑い口を閉ざす。

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あきゅろす。
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