マルシャの存在意義 「お待たせ。話って…マルシャのことかい?」 「当たりで〜す。2年前何があったか知りたいんだ〜。」 「2年か…。エルネキア族にとって2年は2日前みたいな感覚だな。」 マルシャはカノン達から姿を消した。 その時彼は死を決意していたらしく、歩いていたら湖を見付けて、深い深い、くらい水の底で自分を書物に閉じ込めようとする。 術は成功した。 しかし、何者かが書物を盗みにやってきて回収するが、書物には彼事態が封印になっていたのに気付いた犯人は、器用に魔法を解く。 目覚めたマルシャは書物を取り返すべく戦った。 そして力尽きる。 力の異変を察知したペルセウスが下界に降りると、粒子化を始めたマルシャと犯人が倒れているので、連れ帰って治療をした。 一命をとりとめたのだが、事件は再び起きて、彼は何者かに誘拐されて下界に消えてしまったのだ。 「リズが本を受け取った時、マルシャ笑ってたヨ?」 「……実はね………マルシャの【身体】は研究所に眠ってるんだ。誘拐されたのは粒子化で構成された【霊】なんだよ。マルシャは優しい子だからね。辛くても笑う子なんだ。」 「マルシャを襲ったヒトって〜、もしかしてこんな感じじゃなかった〜?」 見せたのはメアエリスの写真だった。 驚いた様にテーブルへ手をつき、身を乗り出す。 写真を奪って今一度確認していた。 「この子、エル・ドランに来たことがある!」 「リズはこれに襲われた。ここにもあるのかヨ?」 「あるって、何がだい?」 「……。」 「メアエリスの狙いは書物じゃなくて〜、そっちだったんだね〜。書物を狙う組織と、もうひとつ組織があるって訳だ〜。なんか面倒だね〜。…ペルセウス、エル・ドランのパーツはマルシャちゃんでいいのかな〜?」 「君には隠し事ができないねwマルシャは輪廻転生を幾度も繰り返していて、ある時代から受け継いだ力にパーツ要素が含まれているんだ。」 「リンネテンセーってナニ?」 「肉体が消えても〜、魂は消えずに次の肉体に宿るってこと〜。」 「じゃあ、マルシャ死なないのか?」 「死にたくても死ねない…可哀想な運命さ。君たちはどこでパーツの話を聞いたんだい?俺は最近知ってね、詳しい事はわからないんだ。」 「…………オレだってわからない。」 わからないことだらけで頭の中がごちゃごちゃになった。 パーツに関してはシアすら困惑する事態だが、 明日のことが大体読めてきた気がする。 明確なのは、エル・ドランに保管されている書物を狙う組織が来るということ。 現代のペルセウスが書物を頼むと言っていたから。 そしてそいつらはメアエリスとは関係がない。 「やだなぁ。明日が怖いなぁ。」 「ちゃんと護るから安心してくださいよ〜w」 「ぽわんぽわんしてる君に言われてもなぁ…。未来なんて知るものじゃないね。」 「酷い〜。…未来ってかえられるのかな〜…なんてね〜。そろそろみんなと合流しよっか〜。」 「おう。」 「ま、ま、待って!家に泊まっていいから、どうかよろしく。」 ラッキーwと言うシアは早速皆を呼びにいった。 エリズィムとペルセウス、二人きりになる。 お互いに何か嫌だなぁと思いあっていた。 「エリズィムちゃんは…どこから来たの?ステルメークの子?」 「違う。…たぶん。キオクないからわからないけど。」 「マルシャみたいだねw」 「マルシャもキオクないのか?」 「なかったんだよ。生まれた頃と名前も姿も違うしね。生まれ変わる度にいろいろ忘れてしまうんだ。だから記憶を術式化して脳内にインプラントした。」 「言ってること、ムズカシイ。」 「あ、ごめんごめんw今思えば、何も知らないで生きていた方が、幸せだったのかもしれないね。」 「???」 染々と話終えたと同時に、賑やかな彼等がやってきた。 早速食事をしながら作戦会議を始める。 エリズィムはソファーでぐっすり眠っていた。 【前n】/【章n】/【次n】 |