その後は 身体の異常はマルシャも感じていた。 三人を治癒するが、日に日に負担が増えている気がする。 神経が痛いというか…熱くて溶けそうというか。 今日は不覚にも、みんなの前で目眩を起こしてしまった。 だから、今は個室で休憩中。 ぼーっとしていると、思い出してしまう。 【孤独】を。 (独り……。【あの子】は、お家に帰れたかな。ボクが本当のクレフィスだったら、カノンと敵同士だったんだね…。) もんもんと陰オーラを出すマルシャ。 カノンが隣に座っていたことさえわからなかった。 「…大丈夫か?」 「わう!…びっくりだよう。…ねー、紅のヒト、どうなったかなぁ。」 「アイツは敵だ。俺らを殺そうとしたヤツの心配なんかするな。」 「ん。…でもね、もしかしたら……お話ししたら、分かってくれるのかなって…。」 「……バカ。オマエがグランゲールの王に信じてくれって言われたら、易々と信じてついていくか?」 簡単に考えていた。 それでも、マルシャは諦めない。 時間をかければ、血を流すことなく解決できる。 そう信じた。 「やってみないとわからないのっ。」 「オマエって本当…っ痛。」 「カノン!おとなしくしなきゃだめだよう。」 病室まで肩を貸す。 治癒力の活性化で、すぐに眠った。 シアとアサトはあと一息くらいまでに回復したのにもかかわらず、最高の治療を受けているカノンは遅れ気味。 不安が過る。 だから、自分の命を削って治癒術を施すのだ。 「マルシャ、今日は泊まる〜?」 「んーん。マルシャ、ニチカと一緒に居るです。」 「コレ渡してもらえないかな〜。」 「はぁーい。」 小包を受け取ってお家に帰る。 胸にぶら下げたカードキーをさしてエレベーターに乗った。 入り口に近付くといい香りがする。 もう夕飯の時間か。 「おっかえりぃ♪」 「ただいまです。おにゃか…ペコペコ。」 「丁度出来たよwマルシャ、それ何?」 「ぴょん吉がニチカにって。はい。」 「何かな。」 小包の形を触ったニチカは、ハッとした顔でカレンダーを見た。 突然赤くなってニヤ気だす。 「記念日とかぁ?w」 「な、なな何だっていいじゃん!ほら!ごはん冷めるから!」 ほっこり。 毎日がこんな感じなら、【あの子】は変われるかもしれない。 孤独をまぎらわすことができる。 マルシャがそうだから。 意欲を増したマルシャだった。 【前n】/【章n】/【次n】 |