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目論み
光を抜けると、自然が広がっていた。
ビフレストは一瞬だけ見えた気がする。
みんなと合流し、現在地を確認した。
どうやらここはオリゲートらしい。

「なんか…ダリィな。」

「そうだね〜。ファノル・アカシックのホームに行くより、ステルメークに行った方がいい気がするな〜。」

「でもさ、アルカディルさんに会ったら…。」

「陛下さんに直接会えばいいんじゃなぁい?パパは敵じゃないと思うしぃ。」

「……駄目元で行くか。」

「しゅっぱーつ。」

「「!?」」

地獄の番犬にまたがるマルシャを見て驚いた。
事情を説明しがてら、ラズリーの森を経由してステルメーク近郊へ。
高貴な薔薇の香りが漂った。
町の主要道路を歩いていれば、アルカディルも手は出せまいと、堂々と歩く。
ケルベロスは本の中にしまう。

「久々だね〜。何か見たことない建物がある〜。」

「何かしら?」

「やぁやぁ皆さんwお久しぶりですねぇ。」

「アルカディル!」

後ろに突如現れた。
当然武器を構えたが、彼は丸腰で両手を上げて微笑んだ。

「陛下が心配しておられましたよ、カノン殿下。殿下の行方不明を知った民の動揺も収まりますw」

(こいつ、何を企んでるんだ?)

城へ案内された。
リオン陛下は愛でる息子を抱きしめる。
その手を払いのけたクールな殿下。
謁見の後、自室へと移動し、一同寛いだ。

「何がどうなってあぁなったんだ?」

「さ〜。まるで別人だね〜。」

「絶対何か企んでるって。…ここに居て、本当に大丈夫なのかな。」

『殿下ー、失礼しますよw』

有無を言わず、アルカディルと数人のメイドが入って来た。
何事かと思う。

「…何。」

「陛下の勅令ですよ。あなた方は軍人養成教育学園で武術、知識を学んで頂きます。我が国はまだ未熟国。今鍛えておかなければ、もしもの事態に対応できないとお考えになられた陛下は、見兼ねて、教育の場を与えてくださったのです。」

「は?」

「さぁ制服に着替えて下さい。」

長々しい説明をして消える。
ニチカ、タレイアは別室で、男達はここで着替えたが、マルシャの分は用意されていなかった。
膨れ上がる頬。

「…ずるい。」

「お子様クラスはないんだと。」

「ニチカは着てるのに…。」

「女子用だけどね〜w」

明日から養成学園の生徒。
内部争いはなくなったが、なんだか面倒なことになってしまった。
今更何を学べというのか。

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