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▲雷が地に
ニチカは弾丸に追われていた。
こちらも廃墟に追い込まれる。
壁に隠れ、敵の隠れる場所を探した。
向こうの木の陰に、白い煙りを見付ける。

「スナイパーがタバコなんて、馬鹿なんじゃないの?」

「ハンデだよ〜w」

「うわ…超ウザ。」

「酷いな〜。あんなに愛し合った仲だっていうのにw」

「あれが愛?何寝言言ってんのさ。」

「……本気で来てくれないとつまらないな〜。話し合いでどうにかなると思わない方がいいよ〜?生ぬるいのは嫌いだ。」

「自分の実力が試せるチャンスです。全力で行く!」

またとないチャンスだから。
シアは物陰から姿を現し、ライフル銃を持って棒立ちする。
余裕の大勢、不愉快だった。
場所を移動して構えに入り、後頭部を狙う。
左の人差し指に力を入れる。

「…え?!」

こんな時に安全装置が故障していた。
仕組まれた事故にシアは容赦なく撃ち込むと、左手の銃が弾き飛ばされる。
肘まで衝撃が走った。

「先手必勝〜wクセってほんと怖いよね〜。戦い前のメンテナンスは赤ちゃんでもわかる基本だ。」

「…そ、想定内だし!」

急いで右手の銃を握る。
挨拶の一撃をプレゼントすると、軌道上にライフルの先がのっていた。
銃口から放たれた鉛玉は相打ちになって弾く。

「…リロードに隙がない……!絶対人間じゃないって…。」

弾数を確認しようとポケットに手を突っ込んだ。
重い感触の中に、一つだけ長い物が入っていて、取り出してみるとタレイアから貰った爆薬だった。
肉弾戦に持ち込むしかないと、ニチカはダイナマイトを投げつける。
スコープで危険物を確認したシアはライフル銃を下げた。
後を追う様に、狙い、撃ったと同時に前に出た。
煙りの中発砲した弾が、シアの利き腕を掠めるが、その後の蹴りは弾かれる。

「…ちょこまかと。」

「侮るなよw」

中指を立てた。
それから撃ち合いは続いた。
建物の陰に潜むシアは、弾数を確認。
丁度その頃ニチカも確認していた。

「あ〜疲れた。…困ったな〜、1発しかないや〜…。ニチカは何発〜…?」

「………………2発…ですけど?」

「最期は…早撃ちで決着付けない?死ぬなら…悔いなく死にたいじゃないか…w」

「ウザ…。」

納得した部分があるのだろう。
瓦礫を出て、建物から出て、2人は生温い風を挟んで対立。
頭から血を流す彼を見ても、もはや感情は死んでいた。

「どうする〜?…タイミングは任せるよ。どうせ、俺が勝つんだ…。」

「頭やられて狂った?…そうだなぁ……実は3発あるんですけど、この弾が落ちたら……はどうですか?」

「…西部劇みたいでいいね〜。死んでも恨まないように。」

「こっちのセリフですから。」

背中を向けた。
ポケットの弾を、コロコロと転がして、ぎゅっと握る。
願掛けをした。
外れますように?当たりますように?相撃ちになりますように?
それは誰にも教えない。
風が止む。
2回程軽く投げ、3回目を高く飛ばした。
これで


































サヨナラ。



















































































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あきゅろす。
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