派閥 アサトの置き手紙を見つけてから翌日。 タレイアがいろいろ調査してくれて、消えた理由と連れ去った主旨がわかった。 一刻を争う事態に気付く。 「流石は軍人さんって感じ。あの2人に情は期待しない方がいいわぁ。」 「……わかってる。ニチカ、シアの側に行きたいなら今の内だ。アルカディルはおまえを買っている。」 「ありがとう。…俺、一晩中考えたんだけどさ。…カノンに協力したい。」 「ニッちゃんいいの?殺し合いになるんだよぉ?」 「いい。シアは俺を連れて行かなかった。それって、この展開を予測しての事だと思う。本気で殺り合ってみたかったしw…多分足止め位にしかならないけどさ。」 そう言ってニチカは横髪を撫でた。 ひとり仲間が加わっても、相手はステルメーク。 鉄壁は余りに高すぎる。 肉体派と頭脳派が揃っているから、勝率は低い。 「すまない…。」 「謝らないのぉwマルシャちゃんを生かす事が使命なんだからぁ♪」 「アストラ族としてマルシャを守りたいって思ったのは、使命だったんだね。」 「…薄々感じていたが、俺達は共通の目的があるらしい。」 「そゆコトぉw早速作戦会議しましょ!こっちにはプチ軍師さんがいるんだからぁw」 「何?プチって俺の事?どういう意味のプチなのさ。」 作戦会議は深夜にまで及んだ。 敵は戦略として、アサトとシアを必ず出してくる筈で、特にアサトには注意が必要。 厄介な忍びに後ろから攻められる前に、鉢合わせしなければならない、よって裏通路や地形に詳しくずる賢いタレイアが相手する。 後の役割は自動的に決定。 彼らは既に軍艦バジリスクでアネモイ族領土へと進軍している。 まず忍びの足止めをし、その間に制御室に行ってバジリスクの機能を停止。 念入りに戦艦見取り図を確認した。 「シャーりんは研究室に居るのん。付きっきりのエルネキア族が居るしぃ、たまに鬼さんが来るからタイミング間違うととんでもないことになるわぁ。」 「アルカディルさんね…。潜入は難しい…外に引っ張り出さないと。………ん?バジリスクの魔晶石は大気の力を吸収するんでしょ?」 「あぁ。」 「タレイアの力で魔晶石を混乱させよう。その後アサトを挑発。カノンさんは最短ルートの先般から侵入して。シアが面白半分で外の様子を見にくる。それを狙って、奇襲するよ。」 「あの馬鹿忍者、馬鹿だもんねぇ♪」 「相手は無敗の将軍。こんな挑発は罠だって気付かないはずない。でも時間潰したらそれでいいから。だからカノンは迅速に動いて。」 「言われるまでもない。」 「捨て駒な訳ですなぁ?」 「そうじゃない!けど…そういうことになる…かな。」 「気にしなくていいのよぉ♪一分でも一瞬でも…マルシャちゃんには生きていて欲しいもの。」 「…。」 「すいませーん!イザオですけどー!」 いつかハピネスシングに発注していた物が完成し、届けに来てくれた。 そして昨日頼んだ物も一緒。 外に出ると、バイクと大量の爆薬があった。 準備は整う。 タレイアはアクティブ形態の羽生に、カノンとニチカはバイクに乗って、早速出陣。 【前n】/【章n】/【次n】 |