タレ…イア? 「ねー、探検しよう?」 「探検?勝手に出歩くのはマズいって。」 と言いつつ、探求に負けて部屋を出た。 マルシャの後ろを歩く。 あらゆる扉を開けようとする行為は、流石に止めた。 「あう?」 「こういうの、よくないから。」 「ドキドキ楽しい。」 「駄目。帰れるの早まるかもだし、戻るよ。」 「だめ。」 ぎゅーっと服を引っ張るマルシャが可愛過ぎて、メロメロになる。 思いっきりなでなでしてあげたい。 「仕方ないなーwちょっとだけだからね。」 「今、可愛いて思った?」 「え?」 「バレバレだよう。」 「超可愛くない…。マルシャ後ろ!」 「にゃ?…ふあーっ!」 後ろ向きで歩いていて、誰かにぶつかった。 大袈裟な位転ぶ。 綺麗な身なりの女性はマルシャに手を伸ばした。 「ごめんなさい、大丈夫?」 「うー…。」 「すいません。そちらは…怪我とかないですか?」 「えぇ。…あなた達、見ない顔ねぇ?怪しい…。」 「怪しい者じゃないんですけど…。」 「身分証明できる物は持ってる?」 「…いえ。ほんっとに怪しい者じゃないんですけど!アルカディル様に連れて来られただけなんです。嘘だと思うならアルカディル様に確認して下さい。」 「ニチカがプンプンです…。」 必死に説明するが、所詮は子供の足掻き。 腕を掴まれ、牢屋の取り調べ室に連れて行かれる所だった。 そこへ、絶妙なタイミングで将軍がやってくる。 マルシャはアルカディルの指を握って背中に隠れた。 「おやおや。カリオペ、子供を苛めるなんて感心しませんね。」 「え?本当に…アルカディル将軍が連れてきたんですかぁ?」 「このヒト、取り調べするって言った。」 「いけませんねぇ。殿下の大事なお友達なのですから、丁重に扱っていただかないと。」 「…よく言うよ。」 ヒトを散々こき使っておきながら。 腕をはなしてもらう。 マルシャはアルカディルにじゃれ始めて、無意味に服をグイグイ引っ張った。 「落ち着きなさい。バジリスクの用意ができましたので出発します。」 「カノンの所に帰れるですー?」 「そうだよ。一刻も早く帰して下さい。部屋絶対ヤバいことなってるし、洗濯物も…あ、皿の数減ってたらどうしよ……。」 「帰すのが惜しいですねぇw」 「帰して下さい。」 カリオペという女性、どことなく誰かに似ていたような気がした。 誰だっけ。 【前n】/【章n】/【次n】 |