馬鹿忍者ウザ忍者キモ忍者 タレイアは釈放された。 しかし、牢屋がいいと騒いでいる。 理由? 「出たくないぃい!まだ居るー!」 「何を寝ぼけた話を!」 「だってご飯美味しいし、一日中寝てられるしw」 「さっさと出て行けー!」 「きゃーっ!」 「カノン様が外でお待ちになってるんだ。早く立ち去れ。」 「まぢで?もしやお嫁に♪…コスメセット返して。」 ファンデーションを塗りアイライナーを入れアイシャドーを付けてまつげを巻き上げマスカラを二回塗り赤めのチークをクルクルと手慣れた手つきで素早く行った。 気軽に挨拶をして刑務所を出る。 「超娑婆の空気ぃーなんつってw…あれ?カノン様居ない………じゃんw」 このまま脱走しちゃえと方向を変えた。 途端に襟を捕まれる。 「おい、どこ行くんだぁ?」 「………宮廷…あっちじゃなかったのん?」 「ちげーよ!っつーか女狐、急ぎの任務が入ったから巻き込まれて貰うぜ。」 「め、女狐ぇ?!何よ、ダサ忍者!!」 「だーっ!一々突っ掛かんじゃねぇ!!とにかく手伝えや!」 アサトとタレイア、今回が初対面ではなかった。 初めての時もこうして言い争っている。 二人はアサトが運転する車に乗った。 「巻き込むって言ってたけど任務ってぇ?」 「クレフィス知ってんだろ?居なくなっちまったんだよ。」 カノンが部屋に戻ると窓が全開に開いていた。 つまりは誘拐。 根拠に基づいたのは、握られた跡が付いたテーブルクロスと落ちて割れた花瓶、ミチルの枕元にあったはずの本が消えていた事だ。 「アタシ関係ないしいー。」 「そう言うなって。報酬、たんまり出るぜ?」 「覚えがあるのはアストレイランドね。あっちは書物の研究進んでるし、何冊かあるって言うし。」 「…女狐、もっと情報集めてこいよ。」 「何言っちゃってんのぉ?タレイアそのまま逃げちゃうかもよぉw」 アサトは車を停めた。 タレイアを真っ直ぐ見つめて話す。 「いいや。オメーは逃げねぇ。」 「…何よそれ。」 「なんかそんな感じがすんだよw情報待ってんぜ!」 車を降りるとアサトは発進してしまった。 馬鹿じゃないの?と連呼しながらも、足はアストレイランドの方角へ向かっている。 愚痴ばっかり出て来た。 ステルメークを出て公道を歩いていると、魔物が現れたが彼女は同様しない。それどころか、手なずけている感じ。 「仕事だよーw」 『酷い事されなかった?』「大丈夫wでも変なのに巻き込まれちゃったかなぁーみたいな。クレフィスちゃん見なかった?」 『見てないけど、荷馬車が通り過ぎた時ニオイはしたよ。』 「それぇ、間違いないわね?」 『うん。ねぇタレイア、一緒に連れてってよ。凄く淋しい。』 「いいけど絶対声出しちゃ駄目よぉ?後、首輪と紐も付けてねw」 タレイアよりも大きな狐の魔物に首輪とリードを付けるとボアンと煙が上がって肩に乗るくらいに小さくなる。 確実かもしれない情報を持ってステルメークへ早々と戻った。 【前n】/【章n】/【次n】 |