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今日の依頼は魔物退治ギルド ブレイドニルムからだった。
なんでも、魔物退治中にひとりはぐれたらしく、集合場所にもホームにも戻らない。
行方不明なのは一週間前、昨日も探したが見つからず、何でも引き受けると噂のファノルアカシックに助けを求めた。
アサト・ニチカ・タレイアは任務に向かったが、シアと、雑用係とその手下は留守を任される。

「マルシャ達は行かなくていいのです?」

「あの3人で充分だからね〜。」

「…暇だ。……行っていいか?」

「え〜?せっかく面白い事があるのに〜。」

「何だ。」

「カノンってネコ好きでしょ〜?ether☆で、マルシャのネコ姿にときめいてたよね〜w」

「……。」

図星です。
好きで好きでたまらない。
それと面白い事の関係を話した。
シアはただ、自分の研究を検証したいだけ。
スクリーンを展開し、予めニチカから作ってもらっていたプログラムを表示する。
得意の力でスクリーンと同調させて、上書きを完了させた。

「…あれ〜?書き換え失敗かな〜…。」

「マルシャ?」

「う?」

「……マル…シャ?」

「うー。」

「………おい。シ…。」

居ない。
部屋に立てこもったようだ。
書き換えされた羽付きマルシャは、地面にぺたんと座って、「あ」や「う」など赤子の言葉を発している。
四つん這いになりカノンの脛辺りの匂いを嗅ぎ回っていた。
そして頬をこすりつける。

「うなぁー。」

「オマエ…ネコになっちまったのか?」

「?」

(うっ/////ときめくな、俺!)

間抜けな笑顔が可愛い。
でもどうしようか。
自分の手の甲まで舐め始めた。
本当にどうしよう。
というかイヌにも見えてきた、というかというかネコみたいな犬?というかというかというか、一体どうしたらいいのか、ひとりパニックのカノン。


「うー。」

「何だ。」

マルシャはカノンの手も舐める。
飼い主にじゃれついた。

「ぅあ。」

「馬鹿が…w」

顔色を伺っているのか、視線は目を捕らえたままだ。
頬も舐める。
彼は抱っこが大好き。
カノンの胸の高さまで飛び、腕に抱かれると、首の匂いを嗅ぎながら頭を擦り付けた。

「あー。」

「好きなのか?」

「なぁーw」

「………これは、これで…悪くないw」

「だよね〜wでもこのままじゃ俺が怒られるから〜…。」

薬指に指輪を付けた。
するとマルシャの羽は溶け出し、雰囲気が変わる。

「…?」

「封印の指輪、用意してま〜すw研究は常に最悪の事態を想定してやらなくちゃ〜。」

「つまり…最悪な事態なんだな。」

シアは笑っているだけだった。

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