☆もう帰る……Orz
受付からホールスタッフへ回り、手伝う。
その位忙しかった。
「マルシャちゃん、氷頂戴!」
「ふぁい!」
アサトに言われた氷…どこにあるのだろうか。
みんな忙しくて聞くに聞けない状況だったから、戸惑いながら探す。
やっと見つけたが、誰が頼んだのかを忘れてしまい、別のテーブルに運んだ。
ここはリンドが居る席。
「あー?俺頼んでないよ?ついでにフルーツ盛りヨロw」
「…?」
先に厨房へお願いする。
するとおぼんにボトルが3本乗せられた。
それぞれ何番テーブルか聞いたが、テーブル番号を覚えても、どれがどこにいくかまでなんて覚えている訳ない。
「あ〜、その氷貰っていい〜?」
「はいっ。」
「ネコさん超可愛いw萌えーw」
「ネコ好き〜?」
「飼ってる飼ってる!w」
「そうなんだ〜wきっと綺麗なネコなんだね〜。」
「えー?w」
「ほら、飼い主に似るって言うじゃないか〜w」
「やだぁw正直なシアの為に、ボトル一本入れちゃうぞvV」
会話を聞いていたら、行き先を全部忘れた。
ウロウロしていると、ボトルはまだかとお声が掛かり、何とか配り終わる。
休む間なく次はこれ、次はこれと仕事が舞い込んだ。
ついにやってしまったマルシャ。
御手洗い帰りの客にぶつかり、グラスを落としてしまった。
「…痛いじゃないの!」
「ご…ごめんなさい。」
「すいません、お嬢様。お怪我はございませんか?お召し物は大丈夫ですか?皆様お騒がせ致しました。」
オーナーが駆けつける。
もう帰りたい。
おぼんをぎゅっと掴み、涙をこらえた。
それに気が付いたニチカは優しく肩を撫でる。
「俺片付けとくし?…ちょっと休憩してきなよw」
「…。」
しょんぼりぐったりで、休憩室に入った。
ドアを開けてすぐに泣いてしまう。
「おい、のろま。」
「…?カ、カノっっ、ふえーんっ!もうっ帰りたいよーう!」
(可愛い…。)
「我慢しろ。フォローしてやるから。」
「…ふぉうろー?」
「カノンさーん!タワー準備できてまーす!」
「すぐ行く。」
勿体無い。
呼び出しがなかったらこの泣きっ面ネコを美味しく頂いてたのに。
カノンはマルシャの伊達眼鏡を取ってキスをした。
浅く、時には深く。
「…っ…はふっ。」
「無理すんなよ。」
「…はぁーい。」
「顔洗って来い。…先に行ってるからな。」
(ネコ…v)
額にキスをされた。
トイレに行って目を冷まし、頑張るぞと気合いを入れる。
ホールに戻った。
とんでもない盛り上がりの中心にはグラスタワーがあり、アサトがシャンパンを流し始めると更に上がった。
みんなで乾杯をしている。
「お嬢さん、これ、4番。」
「はっ…はひっ!」
おつまみセットを受け取り、4番テーブルを目指す。
しかし、ハプニング続きでどこが4番なのかわからなくなった。
ウロウロの悲劇が始まる。
「マルシャ、何番だ?」
「あ…よんって。」
「リンド。」
「はい。」
カノンが外側に座っているお陰で助けられる。
4番におつまみセットを置いて今度は氷を色んな所から頼まれた。
氷の入ったケースを持ち歩くが、もうフラフラ。
色んなヒトに助けて貰って、何とか閉店時間を迎える。
最後の客が帰り、ドアの鍵が閉められたら瞬間に力が抜けて、綺麗な地べたに座ったマルシャだった。
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