CLUB ether☆ 「頭痛は?よくなった〜?」 「そいえば、しない。」 「応急処置は一応成功かな〜。ニチカ、終了〜。」 「……ふー…。夜が明けちゃいましたね。」 「これから引きこもるから〜、後よろしく〜。ふたり共、無理したら駄目だよ〜?」 「ん。後でお茶持っていくね。」 忘れない内に書き留める為、シアは自室へ帰った。 スクリーンを消して、マルシャから赤端子と青端子を外す。 おっきなあくびをして立った。 「ふあー…っ。助かったです。」 「ねぇ、マルシャって………。」 「…どんどん秘密が知られちゃう。悪いのはマルシャ。マルシャ、脳機移植(ブレイントランスポート)されて当然です。」 「何馬鹿な事言ってんのさ!明らかに悪いのはカノンじゃん!」 マルシャは目の色変えずに、剣を創り出して、不慣れに構えた。 少し間抜けな笑顔の裏には、しっかりと殺気が住んでいる。 「カノン悪くない。無能なマルシャが悪いのです。」 「……ごめん。色々見なかった事にするから、剣収めて。」 「マルシャとカノン、結末はいつも同じ。“時”が違っても。」 「え?」 これ以上は言葉を紡げなかった。 分かっているのに、分からない。 そんな曖昧な気持ちは無視して、カノンの所に向かう。 薄い布団を被って額に腕を乗せ寝ていた。 「カノン、カノン。朝ですー。」 「……マルシャ。」 「マルシャだいじょうぶなったw」 「心配掛けんな。」 「はぁーい。」 起き上がったカノンと見つめ合うこと小分、ふたりきりを遮ったのはドアをノックする音だった。 寝起きの顔で出るわけにいかない。 出ろと言われて、カノンは自分の部屋へ行ってしまう。 ドキドキしながら扉を開けた。 「ここファノルアカシック?」 「…はい。お仕事です?」 「そー。他のメンバーは…休み中?」 「だいじょぶです。呼ぶ。」 とりあえず椅子に座ってもらい、カノンの部屋のドアを叩いた。 返事がないどころか、鍵も掛かっている。 次は隣のシアの部屋へ言ったが、書き物をしていて聞いてくれなかった。 その隣のアサトには近寄らず、お向かいのタレイアの部屋を叩く。 「出直した方がいい系?」 「待ってです。ねー、お仕事のヒト来たー!」 「…うーん…何よぉ。ニッちゃん叩き起こして……って、きゃあぁぁwCLUB ether☆のリンド!?いやぁぁんっw」 引っ込んだ。 リンドという怖い感じのイケメンと目が合い、お互い曖昧な微笑みをした。 やっぱり頼りは最後。 ニチカの部屋を開けて、今まさに眠りについた所を起こす。 「……何さ?」 「お仕事来たの。リンドです。」 「客?!待たせてんの?」 「はい。」 流石ニチカだ。 起きて至急にお客様の所へ向かう。 雑誌の広告欄で良く見る顔に驚いていた。 【前n】/【章n】/【次n】 |