喧嘩するほど 探知出来るヒトなんて限られている。 シアがくるんだなぁと思っていた。 アルカディルのお仕置きに匹敵するが、いくらかはマシだ。 何もかも面倒で、寝ながら待った。 寝落ちした頃に、代理お仕置き係が鍵をピッキングして入ってくる。 「……あ、よかった。部屋間違ったらどうしようかと思ったし。」 「緑のぴょん吉!」 「その呼び方やめろよ!俺はニチカ!……/////」 散らばるティッシュペーパー、開封されたコンドーム、下着姿のマルシャ。 “後”にしか見えない。 「?」 「犯罪だよね?これ…。でも、そしたら…俺とシアもそうなるし……。」 「…おまえ、何言ってんだ?」 「!?お、起きてたの!?」 「嫌でも起きるだろ。シアは?一緒じゃないのか?」 「何でシアさん?俺さ、アルカディルさんにカノンの事任されたんだよね。ファノルアカシックの雑用にしてやってって頼まれてさ。」 「…。」 お仕置き係代理はシアでなくてニチカだった。 伝言を聞く。 最近のカノンはあまりにも我が儘で、統治能力は酷く欠けているとステルメーク城で判断される。 結束力が要であるギルドで社会勉強をし、ヒトの為に働く事を知って欲しい。 それが父の願いだ。 「カノンも大変だね」。ステルメークの王子様がファノルアカシックのリーダーやって、また王子になって、今度は雑用係なんてさw」 「あぁ。大変だ。…だから寝かせてくれ。」 「寝かせてあげてくれです。」 「駄目です。…雑用でしょ?オッサンと海璽さん居なくて大変なんだから。ほら、立つ!」 手を引くが、立ち上がってくれなかった。 やっぱり力の差が違うみたいで、逆にベットに引っ張られる。 カノンの腕の中に。 「…うりゅ……だ…だめぇ!」 「ぎゃっ!何すんのさ!!」 押し落とされたニチカは当然にキレた。 子供同士の取っ組み合いが始まる。 もう眠気なんてどこかへ飛んでいってしまったカノンは、飛び付こうとしたマルシャの身体を抑えた。 「…喧嘩するな。」 「んやーっ!…うー……全部カノンが悪いんですっ!」 「確かに。元はといえばカノンさんが悪いんじゃん!」 「何でそうなる…。」 「痛くしてごめんなさい、ニチカ。」 「俺こそごめん。…さ、カノンさん。お詫び(?)に雑務教えてやるよwホームに帰ろ。」 首に縄を掛けられて、連行される。 こうしてマルシャとニチカは仲良しになった。 滅茶苦茶不服顔をしてダラダラ歩いてついて行く。 【前n】/【章n】/【次n】 |