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ニューハーフ
カノンを見つけた。
小路で誰かと話をしている。
女性っぽいヒトは、背が高くて博士と似た白い服を着ていた。
マルシャはゆっくり近付いて行く。

「あら?お客様よ。」

「ん?…マルシャ、ひとりで来たのか?」

「カノンすぐ来るってゆった。」

「あ〜ら、なんて愛くるしいのかしらw美味しそvV」

「喰うなよ。」

「んもー、冗談よwあたしはいつだってアサトちゃんラブなのvVオカマ界のプリンスよw」

「………まぁいい。待たせたな。行くぞ、マルシャ。」

「はぁーい。」

「かーわーいーいーvVお人形ちゃんまたねw」

偽りのお姉さんに手を振る。
カノンはマルシャを後ろに乗せて、アストレイ城跡地に建設中のギルド本部の様子を見にバイクを走らせた。

「カノン!ぴょん吉です!」

「…少し話して行くか。」

急に針路を変えられて、マルシャは舌を噛んだ。
多少の恐怖を覚える。

「カノンいいところに〜w格安で大きめなホーム紹介して〜。」

「………一応、確保はしてある。……。」

「よかった〜w別に小さなホームでもよかったんだけど、どこかの国の王子様が恋人と一緒に泊まりに来た時、相部屋じゃ失礼だからね〜。」

「…要するに、カノンさんとこの子の部屋ね?」

「元気ないな。」

「そんな、ことないですってwこの子に戸惑ってるだけ…。」

「この子じゃないです。マルシャはマルシャだもん。」

「あはは〜w早速案内してよ〜。」

やることはいっぱいあるのだが、楽しい方を優先にしたい。
カノンは森の湖畔へと案内した。
そこには教会が建てられてある。
これが、ファノルアカシックのホームだ。
中に入ると木の長椅子が並び、両端にはドアが5ずつあった。
満足な広さだ。

「俺、ここがいいです。」

「マルシャも!」

「カノンに相談してよかった〜wみんなに連絡してくるね〜。」

「……そろそろ行かないとな。マルシャ。」

「マルシャここに居る。」

「わかった。ニチカ、頼む。」

「は…ぁ?!」

止める前に出て行ってしまった。
マルシャはニチカを凝視する。

「……何さ?」

「首についてるの、これなーに?」

「ヘッドホンだけど?…機械に繋げて術式を音で組み立てる為の……って言ってもわかんないか。」

「ほへー…?」

(誰でもいいから早く来て……。)

馴れない。
どう接していいのかわからなかった。
違和感は早々消えないようだ。

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あきゅろす。
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