アメージング 辺りはすっかり夕暮れ。 ステルメーク周辺の浜でアサトに保護された。 「居た居た!うろちょろしてんな!おまえって奴は!!」 「………大声出さないでくれ。傷に響く。」 「響…く。」 「…二人してやり合った訳じゃねーよな?」 「ノエルの援護。………今はどうでもいいだろ…。…早く、運べ。」 何様だ…と質問すれば、殿下と言い返されてしまうから言わない。 メアエリスだけ抱いて家路を歩いた。 「……もう歩けねー。」 「駄々こねてんじゃねーよ。街まで来たんだ、後ちょいだぜ?頑張れや。」 「アサト。」 「んあ?」 「用事が…出来た。メアエリスを頼む。」 「気付くん遅せぇよwさっさと行って説教されてこい。」 向こうで手を振るのはシアだった。 説教だろうか。 殴られるだろうか。 はたまた撃ち殺されてしまうだろうか。 不安が揃いに揃って、今すぐ逃げ出したいが、逃げてしまうと最後の不安が実現になる。 近くのベンチへ行き座った。 「またやったんだって〜?」 「………。」 「…メアエリスみたいなのは初めてじゃない〜?恐怖だったろ〜に…戻って来るなんて、やっぱり少し変わってる子だよね〜w」 「春臣師匠に…アイツより餓鬼だって。……さすがに………落ち込んだ。」 言葉を選んで話した。 なるべく説教を最小限にしておきたいが為に。 しかし、だ。 シアは本気で落ち込むカノンの頭に、ポンポンと二回手を乗せる。 「カノンは少しずつ成長してる。…強くなったよ〜。」 「…強く……ない。負けてばかりなんだ。」 「悔しい〜?」 悔しい。 レオナード戦ではあんな無様な結果を生み出した。 鍛練していればメアエリスの手を汚すこともなかったのに。 「……答えが見付かったみたいだね〜。アサトも俺も、全力でカノンのサポートするよ〜wだから頼って、ね?」 「…………あぁ。何か……拍子抜け…した。色々説教されるかと…。」 「してあげようか〜?w」 「いや…遠慮します。」 「怒るだけが教育じゃないからね。このギャップで何人も落としてるんだよね〜wニチカもハマッてるし〜w」 「……今日は、会っていかないのか?」 「ニチカって放っておくと可愛くなるよw」 「…その内逃げられるぞ。」 「あはははw」 努力が大事だ。 ヒトに認められる努力ではなく、自分や仲間を護る為の。 【全て】を解決する力を…。 【前n】/【章n】/【次n】 |