□初めまして、さようなら 太陽がさんさんと照る昼下がり。 「…なにやってんでィ」 こんな日にやる気がでるわけねェ俺は、隊務をサボリうろうろしていた。…のだが。路地裏に女がいるのに気付いてしまった。 「おーい、死んでんのかィ」 『ん…、か…い?』 死んでなかったようだ。眠そうに目をこするそいつをよく見れば、ずいぶん整った顔立ち。 ―ちゃき 「なんでこんなとこで寝てやがんでィ」 『いやきのう寝ちゃってさー、ってちょっとーッ!!なんで刀抜いてんですか!?しかも首に当たっちゃうよーッッ!!』 …こいつァいじめがいがありそうなやつだ。 「ただの女がこんなとこで寝ねーぞィ。何者だコノヤロー」 『いやほんとすみません!怪しいものじゃないんですよ、それはもう!!』 その女はあせりながら、ちぎれるほど首を振る。 『…もしかして、真撰組の沖田総吾さん?』 「なるほど。俺のストーカーですね〜。はい、ストーカー規制法違反で逮捕ね〜」 『なっなんでわかったんですか?、って違ーうっ! ストーカーでも何でもないんですって!ただの町娘です!』 まあ俺は有名ですからねィ。知られてるのはしょうがないとして、 「腰の刀はなんでィ?」 『……………おもちゃです』 明らかに怪しいぜィ。 「あんたの名は?」 『是永 千冬です。ではさようならっ』 「おいってめえ、」 …変な奴だぜィ。まあ危険人物には見えやせんし… 「また会いそうですぜィ」 初めまして、さようなら あいつ、顔がいいわりに頭悪そうだな ←→ [戻る] |